#!/usr/local/bin/php 【Next-Zero】『FIRECODER Blu レポート/画質比較@/35.0Mbps編』
 
 


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〜 FIRECODER Blu レポート 〜


(提出日:09/04/30)



■FIRECODER Blu の画質/35.0Mbps編

 前頁で、FIRECODER Blu は、CPU処理と比べて高速処理が可能であることが分かった。
 特に、H.264コーデックへのエンコードでは、実時間以下で処理が可能である為、編集後の Blu-ray オーサリング時のエンコード処理に活用が期待できる。

 しかしながら、ここで気になるのはその画質だろう。
 高速処理が出来る一方で、画質はどうだろうか?
 通常、「高速処理」と「高画質処理」は相反する処理だ。
 さらに、ハードウェアエンコードは、柔軟な画質調整が出来ないため、ソフトウェアエンコードに劣ることが多い……という既成概念もある。

 加えて、FIRECODER Blu は、エンコードに“マルチパス処理”を選択できない。
 “マルチパス処理”というのは、画質の向上やファイルサイズの適正化を行うために、まず一旦、映像解析を行って映像全体の情報量分布をエンコーダが把握した後、その解析結果を基に、もう一度処理を実行して、より綺麗で適正なエンコードを行う手法である。
 1回でエンコードする場合に対して処理時間が2倍以上必要になるが、より好ましい結果が返ってくる場合が多い。
 一般的に、複数回そのような解析処理とエンコードを行うことをマルチパス処理と言い、通常は2回だけで行うことが多いので 2pass 処理とすることが殆どだろう。
 それに対して、1度だけでエンコードを行う事を 1pass 処理と言う。

 FIRECODER Blu は、より好ましい結果が得られるとされる 2pass 処理を選べず、1pass処理のみでエンコードをする。

 さて、FIRECODER Blu の画質はどれほどの物なのか比較テストを行ってみた。

 テストでは、まず元となる映像素材として、HDVカメラで撮影した物を、EDIUS Pro 5 でカット編集して、ロゴ画像をスーパーインポーズ。
 それを、canopus HQ codec の 高画質モードにて書き出し。
 1920x1080 / 29.97i / canopus HQ codec / 60秒 というファイルを作成した。
 この素材動画を ファイル“ Z.” とする。
 その Z.を、PEGASYS TMPGEnc を使って MPEG-4 AVC / H.264 形式にエンコードしている。

 比較のために、以下の形式でエンコードしている。

A.SpursEngine利用/1pass 可変ビットレート
B.Software Encode/1pass 可変ビットレート
C.Software Encode/2pass 可変ビットレート

 A.B.C.のいずれも、1920x1080/29.97i/35Mbps(Max 50Mbps) で作成している。
 Software Encode には、TMPGEnc の MPEG-4 AVC 設定を利用。ビットレートの設定以外はデフォルトとしている。

 ポイントとしては、
 ・FIRECODER Blu と Software Encode 1pass にどのような差異があるのか?
 ・速度に勝る FIRECODER Blu を利用すべきか、時間を掛けてでも 2pass が圧倒的に画質的に有利なのか?

 気になるのはこの2点だろう。

 このテストは動画画質の比較であるので、サイト内だけの情報では実際の結果をお伝えしたり、確認してもらうのは難しい。
 そこで、素材動画 Z.と実際にエンコードした結果ファイル A.B.C.をダウンロード出来るようにしている。
 最終的な画質は、読者の視聴環境とご自身の目で確かめていただきたい。


※テストファイルのダウンロード:
  Z.素材ファイル canopus HQ codec
  A.SpursEngine利用/1pass 可変ビットレート
  B.Software Encode/1pass 可変ビットレート
  C.Software Encode/2pass 可変ビットレート



 なお、注意事項がある。
 まず、筆者PCの環境の場合、ファイルA.は“Quick Time”では視聴できなかった。必要なコーデックをPCにインストールしての視聴をお奨めする。なお筆者は「Media Player Classic - Homecinema」というソフトを利用している。
 ファイルB.C.は逆に、Quick Time でしか視聴できなかった。視聴には Quick Time が必要だ。

 また、PLAYSTATION 3 にて動画ファイルとして再生させた場合、リアルタイム時間での視聴が出来なかった。

 テストでは、EDIUS Pro 5 に Z.A.B.C.の4つのファイルを並べ、動画を切り替えながら再生し、画質をチェックしている。
 しかしながら、FIRECODER Bluでエンコードしたファイルは再生不能(音は出るが映像が出ない)であったため、一旦 canopus Lossless 形式に A.をエンコードしている。
 念のため、素材動画の Z.を canopus Lossless にエンコードしてみたが、素材との差異は認められなかった。
 そのため、A.を canopus Lossless に変換した物は A.と同等であるとした。

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・チェック1:
  FIX画像での発色やディテールの差



Z. 基準画像として見て欲しい。
A. 色が全体的に浅くなる傾向。特に緑色が浅くなり、ディテールは少しだけ失われた感じになる
B. 色は、Z.に比べ濃くなる。ディテール量は、A.と比べると僅かに多い感じだ。
C. B.と比べても顕著な差はない。FIX画ではあまりマルチパスによる画質差は出ない様だ。

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・チェック2:
  ディテール部のノイズ量や、暗部の階調表現




Z. 腕の白い部分に、ザワザワとした細かなノイズが乗っている。HDVのフォーマット限界か。
   緑の部分は、グラデーションは硬いが、ノイズ傾向は落ち着いている。
A. 腕部分の凹凸表現が難しく、ブロック状の細かなノイズが短い周期で動く。
   緑の部分は滑らかな階調が表現できず、ある程度分離してノイズ状に動く。
B. Z.と似た具合のノイズの出方だが、Z.よりもザワザワとしたノイズが目立つ
   緑の部分は、階調が分離して、ブロック状に動いているA.と似た傾向。
C. B.と同じ感じで、細かなノイズが動く。
   緑の部分に関してもA.B.と同じ具合。

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・チェック3:
  情報量が多い画面内でのノイズ量と、ディテール維持



Z. ノイズが多いが、しっかりと髪の毛や服の柄を描写している。HDVには難しい映像。
A. ノイズが増大し、全体的にディテールが甘くなる。
B. A.よりも更にノイズが増大。A.よりもディテールが無くなり、のっぺりした感じに。
C. ノイズの出方やディテール量は A.と同じ感じになる。A.の方が僅かに情報量が多い感じ。

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・チェック4:
  白飛びを起こしやすい映像での、情報量維持



Z. 花びらの中の模様に注目。
A. 花びらの中の模様がしっかりと残っており、一見すると元の映像と見分けが付かない
B. 花びらの模様が、白飛びしてしまい、のっぺりとした感じに。
C. B.と同様に模様のディテールが無くなり、のっぺりした感じ。

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 比較の結果は以上のようになった。
 静止画で切り出したが、その多くで差異を確認できないだろう。
 実際の差異は、動画として読者ご自身の環境とその目で確かめていただきたい。

 今回は、平均ビットレート 35Mbps という HDVの素材に対しては贅沢すぎるビットレートを割り当てたこともあって、それぞれのエンコード結果に大きな差は生み出さなかった。

 筆者個人の感想としては、FIRECODER Blu のエンコード画質は優秀と評価する。
 Software Encode の 1pass の結果よりも良い結果を残す場合が多く、また 2pass との差も殆ど分からない。

 何よりも、その処理に掛かる時間に見合った結果差ではない事が重要だ。
 以下に、エンコードに要した時間を掲載する。


 この様に、圧倒的な時間差をつけて FIRECODER Blu はエンコードを実行している。
 A.の45秒に対して、C.は7分2秒を要している。
 果たして、9倍以上掛かる時間差ほどの画質差が生まれているだろうか?

 個人的には、SpursEngineのコーデックアルゴリズムと、今回利用した Software Encoder のアルゴリズムの“性格的な違い”が顕れているだけで、明確な優劣ではない様に思われる。

 テスト前は、「ハードウェアエンコードだからある程度は画質に妥協すべき結果が返ってくるだろう」……と想定してテストに臨んだのだが、実際は優劣の判定が付けられなくなり、評価に窮した。
 余程に重箱の隅を突くような神経で高画質至上主義を信奉しない限りは、FIRECODER Blu は日常的な映像製作のワークフローに積極的に投入すべきと判断する。

 無論、これは個人的な判断の範疇に過ぎないが、多くの利用者に有用なハードウェアであると考える。



 次回は同じ素材を使って、標準的なビットレートでのエンコードテストを行う。
 MPEG-4 AVC / H.264 では一般的に MPEG-2 の半分のビットレートで同じ画質を実現すると言われる。
 HDV は MPEG-2 で 25Mbps のビットレートを確保しているが、上記を踏まえれば H.264では、12.5Mbps で HDVと同等の画質を表現できることになる。
 次のテストでは、ビットレートを落として、12.5Mbps(Max 25Mbps)での画質比較を行う。


■予告

 今後のテスト予定:
  ・HQ codec から MPEG-2 へのエンコード
  ・FIRECODER Blu vs Software Encode 画質対決(標準ビットレート編)
  ・超解像技術の実力


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