#!/usr/local/bin/php 【Next-Zero】『カメアシ興行紀』(/2003年9月)
 
 


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〜カメアシ興行紀〜

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■2003年09月03日(水)  あつい三連休!
 ごぶさたです。
 決して日記を書くのをサボっていたわけではありません。
 昨日まで「3連休」だったのです。私的には予定外の……です。

 先日の日記には「明日・明後日と2連休である」旨を記しておりましたが、その連休に入ってから、さらにもう一日が休暇になったと連絡があり、期せずして3連休になったのです。
 嬉しいといえば嬉しいのですが、私自身はこの連休を「2連休」として休暇の予定を立てていましたので、俄に増えた「+1日」の休みを活用するスケジュールがが生まれませんでした(一日休みが増えると判ったのは、2日目の夕方でしたから、すでにその時間には落日の余光を眺め、休日を締めくくる準備にはいっていました)
 初めから3連休だと判っていれば、大学時代の友人や後輩達とキャンプへ行ったり、あるいは彼女と何処か遠出する計画なども立てたのですが…結局、地元へ帰って、暫しの静養と懐古の念に浸るのみでした。

 連休初日は、「その前の休日」から遊びに来ているプログラマの松ケンと某ソフトウェアを開発しており(『開発』していたのは松ケンだけですが(笑))、2日目は大学の放送局の後輩達に久方ぶりに会いに行きました。放送局の方では、思わぬ客たる私を歓迎してくれて、午後から私が「講師」として、今年入った新入局員に「中継技術的ケーブル捌き」を実践。
 炎天下の外へ一回生を連れ出して、ハンディーカメラに50m程のケーブルをつないで、二人一組でケーブルを捌く練習をしてもらいました。
 また、三回生はそろそろ就職活動の時期ということもあり、またマスコミ業界に関心を持っている学生も多いため、これからの就職活動に対するアドバイスを求められたりしました。
 その後、予定外に実家へ帰り、夕飯だけ食べて一服した後は、駆け足で彼女に会いに行き、3日目はダラダラと過ごしてしまいました。

 今日は仕事でしたが、15時に現場集合とゆっくりした時間割で、休みボケした頭と体を再起動するには、ちょうど良いシフトでした。

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■2003年09月04日(木)  とりあえず、昨日の話。
 昨日は某ドーム球場でビジョンのお仕事。
 「ビジョン」というのは球場内の大型スクリーンのことで、映像設備の整ったこの球場では、このビジョンを使って球場内のイベントなどを必要に応じてこの大型スクリーンに映し出すことをしています。
 その技術的運用を私の勤める会社が行っているわけです。

 ドーム内のサブ調整室とバックスクリーンにビジョン用のカメラを一台ずつ設置し、私はサブ調整室側のカメラを担当。
 ピッチャーを正面上から捉えられるポジションです。
 今までも野球の試合でのカメラをしていましたが、今回は初めてのプロ野球の試合のカメラです。
 「テレビで見たことあるなぁ。この選手は知ってるぞ」という顔を私が撮して、ビジョンに映し出された映像を観客の皆さんが見るわけで……何やら責任重大な気分になります。(もちろん、重要な仕事です!)
 基本的には試合中の仕事は大して無く、イニング間のイベント(マスコットの着ぐるみがパフォーマンスをする)や観客席を撮して、観客に喜んでもらう…という映像を撮ります。
 また、ホームランを打った選手がいたり、活躍した選手がいれば、その選手に付けたり(フォローすること)します。

 試合中は、「好きに練習をしていろ」ということでしたので、カメラの練習をさせてもらいました。
 特に今回は球フォローの練習。投球ではなく打球をフォローする事をメインに練習しました。
 左目で投球とスイング、打ち返された瞬間の球を見、次の瞬間にはカメラを打球方向へ振って、右目に意識を移し替え、その状態でファインダーにボールが入っていますので、そのボールに向けてズームインをしながらフォローし、落下しつつあるならば、多少ズームアウトして着地やキャッチの衝撃を誤魔化します(このあたりは時と場合に拠りますが)。
 そういった練習ばかりをしていました。
 もちろん、試合でホームランが出ればその選手が塁を次々に踏んで、ホームインする様子をフォローすることも忘れてはいけません。

 試合終了後のヒーローインタビューももちろん押さえます。
 自分の居る場所はグラウンドを挟んで丁度反対側に件のビジョンが見えるロケーションです。
 ですから、自分が撮っている画を……つまりは観客の皆さんが見ている絵を直に確認することが出来ます。
 ファインダー内の感覚とビジョンの画は若干違う感じでしたので、ビジョンを見ながら密かに画角を補正したりしながら画を作っていました。

 今回は特に難なく仕事がこなせた感じです。
 むしろ練習の方法について色々とベテランカメラマンよりアドバイス頂けたことが大変良い勉強となりました。

 以上は昨日の話です。
 ちなみに、今日の仕事は明日からの某国際会議場での会場映像送出の仕事の準備。午後13時から機材積み込み開始で、夕方16時には終了というものでした。
 明日はリハーサル。この仕事もカメラマンです☆

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■2003年09月05日(金)  運転手当、運転手当〜。
 本日は某国際会館での某記念式典のリハーサル。
 朝、9時に会社の機材庫を車で出発し、11時前に京都にある某国際会館に到着です。高速度路は空いていたのですが、京都の市街が大変に混んでいて、なかなか目的に到着できませんでした。
 ちなみに、今回の車の運転は私。会社の車を仕事で運転するのは初めてで、免許をとって4年目にして久々に初々しい気分でハンドルを握っておりました。

 会場でのセッティングは比較的簡単に終わりました。
 ステージ下の上手と下手に一台ずつ、客席中央にリモートカメラを二台という4カメ体制。
 私は、ステージ下手の4カメを担当します。
 今日は、リハーサルといっても、テクニカルリハーサルで、主に照明や音声、そして映像のリハーサルを行います。

 カメラの配置と結線が早々に終わり、早速回線およびカメラチェックに入ります。
 が、最初から今日はトラブル続きです。
 まず、私の4カメのインカムが不調です。サブの声は聞こえるのですが、私の声(トーク)が返りません。カメラ側の設定は問題なく、カメラの筐体を開いて基盤のインカムに関するスイッチを見てみても、規定の位置です。
 CCU側に問題があるらしく、この調整に大変時間を取られました。何度もカメラの電源を落としたり、今まで聞こえていたコールまでも聞こえなくなってしまったり……と事態は混乱。
 30分以上かけて漸く私のインカムが正常になったと思ったら、今度はリターン映像が異常です。
 同期乱れのような映像が返ってきており、何が映っているのか映像が流れてしまって全く判りません。
 こちらも10分ほど事態の収拾に時間がかかりました。
 リターンの映像が乱れていた理由は至極当然で、判ってしまえば簡単な話でした。
 というのは、この国際会館の映像システムは全世界配信に対応し、あらゆる映像信号の出力が可能になっているのですが、基幹システムはHDの720pなのです。
 しかし、我々が持ち込んだカメラやCCUの設定は1080iとなっており、会場の設備が吐き出している720pの映像を、1080iのシステムにそのまま送り返していたので、映像が出なかったわけです。 

 リターンのチェックが終われば一旦昼食です。
 インカムの調整に時間を取られてしまい、予定よりも1時間ほど遅い昼飯となりました。
 そして、飯から返ってきてからまたまた問題が起こります。
 今度はステージ上手の4カメのインカムが完全不通状態になっていたのです。
 サブの声も聞こえませんし、トークも死んでいます。
 再びインカムの開通を行うために、予定外の時間が割かれます……。

 さて、今日の現場のトラブルを簡単に記しましたが、皆さんの中には「トラブル処理に手間取っているなぁ」とか「プロらしくない失敗だ」とお感じなった方もいらっしゃるかもしれません。
 確かに、現場に居た私も「今日はいつもよりも問題解決に時間が掛かる……」とは思いましたが、今日のような事態に陥ったのは実は訳があります。
 それは、今回使っているHD機材は全てレンタルであるからです。
 
 今、会社の機材は、他の中継の仕事でほぼ出払っており、この仕事に回せる機材が無かったのです。
 そこで、業者よりHDカメラ2台と、セットでCCUなどをレンタルしている訳です。
 ですから、勝手の分からない部分が多々あります。
 特にCCUの設定は基盤のスイッチからして普段会社が使っている仕様と違うモードになっていたりと、開いてみないと判らない事が沢山あったようです。
 カメラはデフォルトで問題なく使えましたが、それでもケーブルは日頃はあまり使わないタイプのコネクタ形状のケーブルを利用しなければなりませんでした。
 HDの信号を送る光ケーブルのコネクタには2種類あり、通称「レモ」と「タジミ」と呼ばれています。
 SONYのHD機材はデフォルトではレモのコネクタであり、またNHKはレモ仕様だそうですが、私の会社は日頃はタジミを使っており、野球中継などでの球場の設備によってはレモを利用しすることもある…という程度です。
 今回はカメラ側もCCU側もレモタイプでしたので、ケーブルは「レモ−レモ」のケーブルがあれば問題なかったのですが、会社にあるのは「レモ−タジ(ミ)」変換ケーブルのみ。仕方なく、「レモ−タジ」−「タジ−レモ」という接続を行う事で「レモ−レモ」ケーブルとして今回は利用しています。(これを機に、レモ−レモケーブルを購入しないのでしょうか……あ、しかし、滅多に使わないなら次回からはケーブルもレンタルですかね)
 また、今回は会社の中継車によるシステムではなく、会場が設えているシステムを利用していますので、この施設の利用経験のあるベテランVEさんとは言え、トラブル続きでうっかりしていた…という事もあったのかもしれません。

 今日は、こんな感じで半日は機材の設定トラブル続きでした。
 
 リハーサルの方は途中まで順調に進んでいたのですが、夕食を取った後あたりから、スケジュールが押し気味になります…。
 特に照明の照度やMCの喋りによるフォローなどが何度も見直され、結局2時間押しになりました…。
 細かな部分がリハーサルの最後の方で二転三転してしまっているので、他の技術スタッフがそれらの動きに追いつていけなくなる始末。私も正直動きが把握できていない部分が残ってしまいました。

 明日は、午前中に本番と同じ様に人を入れてのリハーサル。
 此処で、改めて細かな人の動きや立ち位置などが確認されますので、その際に私も今日把握仕切れなかった動きや、立ち位置などを確認したいと思います。
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■2003年09月06日(土)  そのためのネルフです。(謎)
 腰痛てぇ〜……とヘルニア気味の管理人;宏哉です。
 さて、国際会館三連戦。本日無事に本番を迎え終了しました。

 昨日に引き続き、本日も午前中はリハーサル。
 一部の本番出演者を会場に入れ、位置決め・確認をしながらの試演です。
 映像スタッフ側はその間に適宜 人の立ち位置などを確認して、記憶しておきます。そういう意味では、映像のためのリハーサルではなく、人物側・式典進行側のリハーサルを利用して映像サイドも自分たちに必要な仕事を確認しておく…という感じでしょうか。
 
 昨日は人が全く入って居らず、進行サイドの代替人が大まかな場所に立ち、それを指標に撮影をしていましたが、今日は本番に出る人間でそれを行うことが出来ましたので、大分本番の実感を持ってカメラを振ることが出来ました。
 結局、リハーサルはそこまで。会場には2000人からの人間が入り、それらの方全てが観客ではなく式典参加者ですので、最終的には本番にならないと動きが判らない…という部分も残りました。
 ですから、リハーサルといってもランスルーとまでは行かず、ドライ(ドライリハーサル)にカメリハ(カメラリハーサル)を同時にくっつけておこなった……という感じでしょうか(かなりおかしな表現ですが)。
 まぁ、ドラマや演劇の撮影ではありませんので、そこまで厳密な技術側と出演者側の連携はいらないのかもしれませんが…。

 さて、本番です。
 4時間ある式典の大まかな流れは頭に入っていますので、あとは会場の状況を見、さらにスイッチャーからの指示を受けながらの撮影です。
 ハンディーカメラをドリー付きの三脚に乗せて、進行係や客席の邪魔にならない程度にステージ下の下手側を動き回ります。

 なお、念のために記しておきますが、上手(かみて)というのは客席から舞台に向かって右側、下手(しもて)は客席から舞台に向かって左側の事を指します。現場では「右」や「左」という指示ではなく、必ず「上手」「下手」で表現します。これは、例えば舞台上の出演者と客席側の監督との間での「左右」に関する方向が食い違わない様にするためです。
 それに倣ってのことか、カメラの動きの指示も、舞台のみならず野球中継の際でも「上手へ振れ」とか「下手の選手も入れて」という指示になります。
 
 さて、話は今日の式典に戻りますが、とにかく腰と脚が疲れました。
 4時間の式典では、その間ほぼ立ちっぱなしで、またこの仕事を始めてから腰痛持ちになりましたから(涙)、もう腰が痛くて痛くて…。
 ただ、腰痛を感じるのは自分のカメラに番が回ってこない時で、反対に自分のカメラにタリーが点いたらその途端に、痛みを忘れてしまいます(笑)

 あと、余談……というか自分には結構重要な話なのですが、今回のカメラは「眼鏡」でやりました。
 このサイト経由でお会いしている方なら、「管理人;宏哉 = 眼鏡」という印象でご記憶の方も多いと思いますが、実は6月頃からコンタクトレンズをしており、当時からカメラをやることを見据えて、「脱眼鏡」を目指していたのです。
 眼鏡ですと、ファインダーと目の間に距離が生まれてしまい、よけいな光が入り込んだり眼鏡のレンズでの反射や、或いは雨の時などは、レンズに水滴が付くのみならず、曇ってしまう…という問題もあります。
 で、二ヶ月ほどコンタクトを試してみたのですけれど………、コンタクトをしてのフォーカス合わせに自信が持てません。
 ファインダーの中で合焦していても、本当にそこが山なのか…と、ついフォーカスを探ってしまいます(結局は合っているのです)。
 別にコンタクトの「度」が合っていない…とか言う訳ではないのですが、しかし、乱視の入っている右目には、コンタクトレンズによる地球の重力に任せた乱視補正では不十分な様子なのです。
 夏の甲子園や先日までのそれぞれのカメラの仕事の際はコンタクトでやっていたのですけど、特に甲子園の時は初めてで「緊張」という要素もあり、眼球上の異物感が一層機になり、合焦させるのに結構苦労していたことを思い出します。

 そこで今回は再び「眼鏡でカメラ」に立ち返り、ファインダーを覗くことにしました。
 この選択は正解だったと思います。
 理由は2つ。とにかくもフォーカスを合わせるのが難しい…というか重要な撮影環境であったからです。
 1つは、まずカメラが SONY HDC-950 であったということ。型番から判るようにこのカメラはハイビジョンのハンディーカメラなのですが、ハイビジョンは高精細である故に、フォーカスの合う範囲も従来のSDと比べると狭く(同じアイリス値や被写体までの距離でも被写界深度が浅い)、焦点を合わせるのが難しいのです。
 2つ目は、会場の明るさです。私のカメラは壇上を撮る回数以上に会場の客席にいる参加者を撮る事が多く、そして客席の照明(客電)も比較的抑えられ、あまり明るいとは言えませんでした。
 すると、当然カメラ側のアイリスは開かないといけません。実際、ファインダーのディスプレーに表示されている値を確認してみると、アイリス開放で且つゲインが6dbほど入っていました。
 そうなると、被写界深度はますます浅くなります。しかも、後方の客席をテレ端(望遠)で狙って、会場前の壇上まで歩いてくるのをフォローするのですから、ピントフォローが大変に厄介でした。
 “ハイビジョンカメラ”で、“アイリス開放”で、さらに“望遠撮影”………これ以上ない程に被写界深度が浅くなる撮影環境です。おまけを付ければ、収録ではなく、生で会場モニタ(400インチぐらい?)ですので、デフォーカスを作っている猶予はありません。

 さて、眼鏡をしての結果ですが、残念ながら今の私では完璧に…という訳にはいきませんでしたが、大きなピンぼけも無く、まずまず納得できる仕事をしたと思います。
 式典が終わり、上手側のカメラに就いておられた大ベテランのカメラマンから、今日の私のカメラワークに関する評価を頂きましたが、「パニングを終えるタイミングを会場での演説を聴き、話の切れ目を意識し、またスイッチャーのタイミングを想定しながら自分で考えろ」というアドバイスを頂きました。「そのほかの動きについては、大体問題なかった」というコメントも賜れましたので、今回は自分のカメラワークに少々自信を持てる切っ掛けを得られた様な気がします。

 さてはて、今後…眼鏡組に戻るか、新生コンタクト派となるか…迷いどころです。

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■2003年09月07日(日)  東京の制作陣と大阪の技術陣のコラボレーション
 只今、7日の26時です。
 今し方仕事が終わり、帰宅致しました。

 今日のお仕事はお昼の15時から。
 ですから、午前中はたっぷりと惰眠を貪り、午後からノソノソと起き出して出勤しました。
 本日の仕事は、イレギュラー番組。
 日頃は東京の局社が生でオンエアしているのですが、今日はタレントさんのスケジュールの都合で大阪からの生中継という形態が取られ、そのために我々が中継の業務に当たりました。
 
 1530時に現場に入り、ケーブルの布線を行います。
 オンエアは2330時ですから、かなり早い時間からの作業です。実際はそんなに時間の掛かる作業ではないのですが、一般のお店を利用しての番組となりましたので、お店の開業時間(1700時)までに布線作業や機材の搬入を済ませてしまわないと、お客さんの迷惑になり店の営業にも差し障りが出てきます。
 ですので、必要以上に早く現場に入っての作業を行ったのです。
 中継車をお店の前の道(幹線道路)に横付けしてそこからケーブルを歩道を架線して店の二階の窓か引き入れます。(路上駐車ですがもちろん管轄警察署の許可は取っています)
 生中継ですから、中継車からの映像を放送局にとばす必要がありますが、店のロケーションは放送局の前の道を挟んで目の前という場所にありましたから、そのまま中継車の屋根にパラボラを立てて、直線距離で100メートルほど離れた局の電波塔にマイクロ波を飛ばします。

 布線が終わればカメラを組んだりインカムのチェックをしたりします。
 カメラは4カメ体制。全てハンディカメラですが、うち3台は三脚利用の位置固定。残りの一台はハンディで自由に現場を動きます。
 セッティングが終わってしまえば、後は暫く待機です。
 今回利用させて頂いたお店はお洒落な雰囲気のバー。大変人気のあるお店らしく、開店直後からカップルや親子連れ、合コングループなどがひっきりなしに入店してきます。
 夕飯はそのお店が用意してくださったお店のメニュー。サラダやパスタ、ガーリックの効いたピラフなどヘルシーで且つお腹いっぱいになります。
 食事を済ませた後は、1時間ほど自由時間。歩いて会社に帰れる距離ですから、私は一旦会社のデスクに戻って、アイスクリームなどを食べながら時間をつぶしました。
 2015時より技打ち(技術打ち合わせ)。2200過ぎよりリハーサルが行われ、本番が近づきます。本番30分前の2300時。漸く出演するタレントさんやゲストが入ってのリハーサル。
 東京の局社と大阪を結んでの指示のやりとりで最終確認が行われます。
 
 そして、2326分。ジャンクションが入ります(ジャンクション:ブリッジとも言う。番組終了直後に「次は、○○です」と、出演者によるタイトルコールなどにより次の番組を紹介し、視聴者を橋渡しする五秒ほどの枠のこと。)
 CMを挟んで2330時オンエアスタート。
 番組はサッカーのハイライト紹介番組でVTR中心のものですが、そこにタレントやゲストのコメントがリアルで乗る…という形態のものです。
 無事にオンエアが終わり2356時番組終了。
 「お疲れ様でした〜」の声と共に、技術陣は撤収に入ります。
  
 中継の仕事では滅多にタレントさんと一緒に仕事をすることはないので少々新鮮な気分でした。(芸能人とかには殆ど関心がないのでミーハー的な気分には成りませんでしたが…)
 この番組のタレントさんはお笑いタレントということもあって、番組以外の時間(リハーサル中やCM中など)も周りのスタッフを和ませるトークをなさり、始終現場は楽しい雰囲気でした。(有名なタレントさんですから皆さんご存じの方だと思います)

 機材を撤収して帰社。機材を機材庫に片づけて25時。
 その後デスクに戻り、ビールで乾杯。26時近くまで飲んで、タク券(タクシー券)を切って、技術陣は解散しました。私は自転車で通える距離に住んでいますから、自転車で帰宅して、いまこの日記を書いています。
 明日は10時からゴルフ中継のための機材積み込みです!
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■2003年09月08日(月)  入道雲と秋の空。
 さて、いよいよ恒例のゴルフ週間がやって参りました。
 本日月曜は、機材庫にて機材の積み込み作業です。
 ただ、いつもと違って4tトラックなどは来ず、日頃使っているキャラバン(ハイエースの事)に機材を積むだけで、それほど多くの荷物を持って行く…という印象はありませんでした。

 今回のゴルフ中継は「埼玉」にて。もちろん出張となります。
 私は後発組に入っているので、明日出発ではなく明後日の朝の新幹線で関東へ向かいます。
 このゴルフ中継のチームには「CS班」と「本隊」があり、私は本隊に就いています。つまり地上波組です。
 それぞれの班は行動スケジュールも宿泊するホテルも違い、スタッフのシフトが交流することもありません。
 CS班と本隊で各々キャラバン2台を使って、機材を積み込み、出発の準備を整えます。
 日頃のゴルフ中継ですと、中継小物(細紐やロープ、ビニールテープ、ガムテープ、ビニールシート、細筒、ウエス、軍手など)をゴルフ中継1チーム分積み込めば良いのですが、今回は2チームあるために、小物の争奪戦となりました。
 私が今し方作ったばかりのビニール製の細筒はあっという間に無くなり、不足がちなビニールシートや細紐もどんどん無くなっていきます。
 本隊チームの機材の積み込みは午後から…ということでしたが、このまま座視していれば、自分たちが積み込む分が無くなる! と思い、私は一人黙々と小物をフライングで準備していました。しかしながら絶対量がそれで変わるわけでなく、また今回準備の優先度はCSチームにあります。というのは、本隊のキャラバンは明日出発するのに対し、CSチームは本日出発するからです。
 ですから、仕方なくCS組に小物を優先して取ってもらいます。もちろん、残った分では本隊組にとっては不足ですので、昼食を取るのも忘れて、私はせっせと小物を生産しました。
 今回の小物準備は、最後にゴルフに行ったときの失敗を教訓とし、また今までのゴルフ中継の反省を元に、十二分と思われるだけの小物を用意することが出来たと思います。

 3時過ぎには積み込みが終わり、各々デスクや機材庫に戻って、遠征前にやっておかねばならない業務にその後は取りかかって居られました。
 私は特段そのような業務を持つまでの身分には至っておりませんので、中継にでる人数分の当日の中継資料をコピーしたり、出張から返ってきた後の自分のスケジュールを確認したりしました。
 途中、他の仕事に就いている先輩に呼ばれて、大阪市内をあちらこちら車で移動し、別の番組に機材を届けたり、借りてきたりしましたが、それ以外はデスクで先輩方と話をしたり、テレビのニュースを見たりして過ごしました。

 そうそう、帰宅まで確認を保留していた懸案がありました
 それは、私の明日のシフトが空白である……という問題です。
 最近はシフトがころころと変わることが多かったことと、まだシフト表が「決定稿@」であった事から、未決でいい加減今日中に新しいシフト「決定稿A」がシフターから発表されるものだと思い、帰宅寸前(1800時)まで待っていました。
 しかしながら、全くシフターさんに新シフト発表の気配が無く、また他のスタッフとのシフト調整に追われて居られるようでしたので、よもや……というより、やっぱり「私のシフトが未決なのを忘れて居られるのではないだろうか…」と思い、遂にシフターさんに私の明日のシフトについて尋ねにいきました。

 「お忙しいところすみません。実は私の明日のシフトに関してなのですが、空白のまま仕事が決まっていないみたいなのですが……」
 と私が切り出します。
 すると、
 「えっ!? ほんまかない?(カタカタカタ(キーボートをたたく音)) うわ、忘れてたわ…」
 驚愕する私。
 「………」
 瞬時にシフトを決定しようとするシフターさんが、明日ある全中継の仕事を確認します。
 「う〜ん、どうしてもらおう。……………………。休め、休め。明日は休んで」
 予想通り……いや、期待通りの回答が返ってました。
 「♪」
 今後の私のシフトを見ながらシフターさん、
 「休めるときに休んでおいた方が良い。明日は休んで。何かあれば連絡するし」
 「(愕)」
 
 というやりとりがあり、瞬時にして私は明日休暇を頂くことが出来ました。
 というわけで明日はお休み。
 出張の準備をしなければいけませんね!

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■2003年09月09日(火)  It's My Mobile Style.
 さて、明日からいよいよ埼玉へ出張ですが、今回からは「カメアシ興行紀」の更新やメールチェックは滞りません
 今までは、日記の更新は携帯電話によるi-mode経由での更新で、文章は数行、写真無しで行っており、またメールチェックも出張から帰宅後にチェックしていたため数十から時には百件以上を一気に受信している始末でした。

 しかし、この夏、漸くノートパソコンを購入することが適い、またモバイル通信手段も導入しましたので、出張先より通常通りの更新を行うことが可能になりました。
 ノートPCの導入により、漸く第一次モバイル拡充計画が完了し、いよいよ夢のモバイル生活を送ることが出来るようになりました。
 以下が現在の私のモバイルスタイルです。


@富士通 LOOX T90D:A5サイズのノートパソコン。10.6インチ(1280x768)のワイド液晶や標準付属バッテリーで6時間駆動、さらにこのサイズでDVD-R/-RW/-RAM の書き込みに対応しているDVDマルチドライブ搭載。 CPUはIntel Centrino Pentium M プロセッサ 900MHz、HDD 60GB、メモリ 512MB(増設済み)、ワイヤレスLAN IEEE802.11b、IEEE1394端子、メモリスティック・SDカード・コンパクトフラッシュカードスロット搭載という至れり尽くせりのスペック。
 サブマシンとして十二分の機能を果たしくれる。
ACASIO EXILIM EX-Z3:320万画素のデジタルカメラ。薄型にも拘わらず、沈胴式で且つ内部レンズ群が上スライドするsmc PENTAXレンズを採用することで3倍光学ズームを可能にしている。シャッタースピードのマニュアル調整が出来ないところが珠に傷だが、画質や操作性は上々。カメアシ興行紀の写真は大抵がこのZ3による撮影である。
BSony Ericsson SO505i:NTT DoCoMo の携帯電話。130万画素CCD搭載のデジタルカメラ機能と180°にスライド回転させることでダイアルボタンが現れるスタイルを採用したことで話題となった。2.2インチ 256x320ドットの大きくて精細な液晶画面は画像が綺麗に見られ発色も良く使いやすい。 スタイルの都合上、液晶画面が常に外に出てしまうことで液晶画面に傷が付くことが心配されるが、テレビ中継などの現場で利用していても現在のところ画面表面に傷は認められない。
 カメアシ興行紀の写真の一部はこの携帯電話による撮影。
CI・O DATA HyperHyde Exrouge MDM-H205W:MP3対応のPortable Digital Audio Player。MMCカードとSDカードに対応しており単四アルカリ電池一本で20時間もの再生が可能。USBか対応のカードライターを使用して音楽を転送できる。ディスプレーは日本語表示可能で、また多くのプリセットから表示デザインを選択することが出来る。
 また、各ボタンの機能は全てカスタマイズ可能で、自分の利用スタイルにあった機能割り当てが出来るのは嬉しい。
 音質はそれほど良くないが、その携帯性や操作性のよさから愛用している。
※Bang&Olufsen Headphone A8:独特のスタイルとその質の良さから手放せなくなる愛用のヘッドフォン。ナチュラルアルミニウムのボディーには上質のフィッティングギミックが施されており、触るたびに喜びを覚える。
 実は、このヘッドフォンはzapさんから私への「就職内定祝い」。内定式の終わった後、秋葉原でzapさんとお会いしたのですが、すると突然、このヘッドフォンをプレゼントしてくださったのです! もう、感動感激! ちなみに、このヘッドフォンをプレゼントして頂いたお陰で、わたしは関西に帰った後、急いで HyperHyde Exrouge MDM-H205Wを購入する運びになったのです。なぜなら、当時私はこのヘッドフォンを活用できるポータブルプレーヤーを保有していなかったからです(笑 本当にありがとうございました。
 なお、このヘッドフォンは去年の冬に公開された映画「マイノリティーレポート」で、「未来の電話」というアイテムで登場していました。
DCITIZEN ATTESA ATD53-2523:エコドライブ駆動の電波時計。電波時計とは、独立行政法人通信総合研究所の日本標準時グループが管理運営を行っている標準電波を受信して、時刻及び日付を自動修正して正しい時刻を表示する時計で、10万年に1秒の誤差といわれるセシウム原子時計をもとに日本に2箇所ある電波送信所(福島局と九州局)から標準電波が送信されている。
 実際に利用しての感想だが、本当に1秒の狂いもなく正に快適である。というのは、私の生業である、この放送業界、とりわけ中継などの生放送に携わっている関係上、まさに秒単位での時間管理が必要となってくるからだ。オンエアは10秒5秒単位ではなく、「56分04秒でノリ」…といったような本当に1秒単位での動きとなる。そのため、分単位で時間があっているよりは秒単位で時間があっているほうが都合がよいのである。実際正確にオンエアまで30秒の時間があるかないかが把握できるかは出来る事が違う。のこり30秒ある…という事が判っていれば、目薬を差したり飲み物をちょっと口にしたりすることが可能である。
 なお、この電波時計は私の父親からの「就職祝い」である。
ENEC Air H"・C@rdH"64 AH-N401C:DDI Pocket Air H"対応のデータ通信用カード。PCスロットとCFカードスロットでの利用が可能で、128kパケット方式のほか、32kパケット方式、フレックスチェンジ方式、64kPIAFS、32kPIAFSに対応。主要都市部を中心として広い地域で通信可能であり、もちろん今回の出張先である埼玉県の某市でも利用可能である事を確認している。
 私は家ではADSLを利用しているので、H"による通信は出張先や出先ぐらいでの利用になるため、基本料金が安くて多少通信料が割高のプランで契約している。
 実際の使用感は、メールチェックやサイトの更新程度になら問題を感じない。これで、出張先からもどんどん日記の更新を出来ることとなって、嬉しい限りである。

 というスタイルです。
 LOOX T90D はDVD-RAMが読み込めるため、東芝の HDD&DVDレコーダ RD-X3(写真右上)で録画したテレビ番組をDVD-RAMに移して、出先で観賞できるのが何よりも嬉しいです。
 もちろん、i.LinkによりVX2000などと繋いで動画を取り込み、映像編集をすることも可能。すでにPremiereをインストールしていますが、……まぁ快適かどうかは別問題(笑) 今はT90Dの限界を探るべく、酷使しています。
>>T90Dを中心とした現在のモバイルリレーションスタイル

 ということで、今後の出張はこれらのモバイルアイテムと共に赴き、現地からいつも通りの「カメアシ興行紀」更新を行います。

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■2003年09月10日(水)  カメアシが今日は一人しか居らず…
 只今埼玉県某市。
 ゴルフ中継のため出張中です。

 朝、新大阪駅から新幹線に乗って、旅路を楽しむこと3時間。ようやく、目的地に到着。
 が、丁度昼過ぎに現地入り…ということもあって、いきなり昼飯を取ります。
 
 現地には昨日より先発隊が入っており、担当ホールの布線の半分は既に終わっている状態。
 後発組第一陣の我々は、残りの布線作業を行い、その後デカカメをイントレの上に組み立てていく仕事を行いました。
 ご存じのように、あるいは以前から書いているとおり、デカカメはレンズもカメラヘッドもそして三脚も大変な重さ。
 それを、ロープを使ってイントレの上へ引き上げてる必要があります。
 太いロープをカメラヘッドの取っ手に巻き付け縛り、人力でイントレの上へ引き上げます。
 今までのゴルフ中継の準備では、先輩方がロープを機材に括り付けるのを見ているばかりでしたが、今回からは私にもロープ結びを試されます。
 正直、ビビリます。
 1000万〜1500万円する機材を…しかもかなり重量のあるそれらを、ロープ一本で引き上げるのですから、結びが解けて機材が落下などしたら………洒落になりません。
 細心にロープを機材やケースの取っ手に通し、外れにくく…しかし解きやすい結びを作る必要があります。
 結んだ後は、一旦軽くロープを引っ張って結びがしっかりと締まっていることを確認し、そして滑車を通したロープ手繰って機材をイントレ上へ引き上げます。
 結びがほどけたり、もちろん機材が落下することはありませんでしたが、より安全で的確な縛り方がある…と不合格を受けた結びもありました。
 その後は、他の先輩のロープの扱い方を見て勉強させてもらいました。

 機材の配置・組み立てと布線が完了すれば、回線・カメラチェックです。
 私は、15番ホールのTeeカメラのチェックを任されましたが……いつまで待ってもカメラの電源が入りません。
 もちろんインカムも通じないので、携帯電話で中継車に居られるはずのスイッチャーさんに問い合わせてみると、中継車側でも動作が確認できない…とのこと。
 別の先輩が、私の元までやってこられてカメラを確認してもらいますが、事態に変化はなく、嫌な状況が予想されました。
 出先から、ケーブルの接続ポイントを一つさかのぼって、そこでカメラにケーブルを繋ぎ替えます。すると、電源が入り、インカムも通じるではありませんか…。
 そうです。出先に向かっている最後の100メートル分のケーブルがNGになっていたのです。
 すぐさま機材置きテントに戻って、別の100メートルケーブルを調達。
 現場に戻って布線をやり直します。
 普通なら布線作業は最低でも3人ほどで行うのですが、今回は2人っきり。しかも、あまり条件の良い布線作業ではありませんでした。
 ぜぇぜぇ言いながら漸く布線をやり直し、再びカメラチェック。
 ―――――電源が無事に入り、インカムによる通話もOK。
 布線をやり直した努力は流石に報われました。
 結局、私の担当した15HのTeeだけが、チェックに手間取り、機材テントに戻った頃には既に現場の引き上げ準備が始まっていました。
 私もすぐさま機材をテントや中継車に片づけ、テントを締めて、現場を後にしました。

 ホテルへ帰ってからは、先輩方と食事へ。初日からいきなり焼き肉です。
 私はちょっと食べ過ぎ飲み過ぎの感じ……。
 結構あれこれと説教されたり、また社内の人間関係や部署関係……というドロドロとした…しかし大変に重要と思われる話を聞くことができました。

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■2003年09月12日(金)  これ以上焼けない…けどまだまだ焼かれるお肌……。
 申し訳ございません。
 昨日は日記を書くことが出来ませんでした。

 昨日は一昨日よりも少々現場を引き上げるのが遅く、ホテルに戻って夕飯を食べに出たのが20時過ぎ。
 ホテル近くの飲み屋さんで、24時過ぎまでカメラマン2人と私含めてカメアシさん5人の計7人で飲み食いしていました。l
 さらに、今朝は“先発組”として7時にホテルを出発する班に私は割り振られていましたので、睡眠を最優先して、昨夜もそして今朝も日記を書く余裕が無かった次第です。

 さて、今日のお話。
 今日はホテルを7時に出発して7時半にゴルフ場へ入ります。
 メンバーは、SWさん1人とカメラマン1人とVEさん1人、そして私の4人だけ。ちなみに、本隊のメンバーは我々が担当する3ホールとセンタースタッフだけでも40名以上。全体の技術陣の人数は私には判りません。
 とにかくも、我々4名だけが先にゴルフ場に入る必要が今日はありました。
 その理由はCSでのオンエアが8時から始まるため…ということでした。
 基本的に私の所属する班は「本隊」の、つまり地上波オンエアのスタッフなのですが、実際のところ、現場は混成艦隊。
 同じゴルフ場で同じ時刻に同じ選手を同じカメラを使って撮影するのですから、当然スタッフの切り分けが出来ないところはあります。
 私の配属されたホールはホールインワンが出る可能性のあるショートホール。
 そのため、いつ誰がホールインワンを決めるのか判りませんのでプレーヤーの第1組目から最終組を全て押さえておく必要があります。特にCSはスポーツ専門チャンネルとなるので、その性質上そういったドラマティックなシーンを落とすことは出来ないわけです。
 現場に着いたら、まずはハンディーカメラを出してセッティングをします。
 今日は番組冒頭時の“ビューティー”を撮影するためにケーブルを昨日よりさらに50メートル延ばし、ホール横の池を入れた画をカメラマンが作ります。
 なお、“ビューティー”とは、ゴルフ中継において選手のスコアや大会結果のテロップが表示される際のテロップ後ろのゴルフ場の風景。基本的には樹木を中心としたフィックスが多く、或いは速報スコアボードをなめたり、今回のように池を使ったりと、会場の綺麗な感じの画を“ビューティー”と言います。
 
 さて、ビューティー撮りが終われば早速選手の“プレー”の撮影に入ります。
 もちろんCSの衛星生中継です。
 そして、放送中の私の仕事は担当ホールのTeeカメラのカメラマン。
 ティーショットを行う選手の動きや表情を中心に撮影するカメラです。
 ゴルフ番組を見たことがある方なら見覚えのある画だと思いますが、「プレーヤーの斜め前横あたりから選手の全身と足下のボールが入った画で始め、選手がボールを打って半拍してスゥーと選手のバストショットぐらいに寄っていく」という映像を作るのがTeeカメ…とりわけ“Front Tee(F.T)”と言われるカメラの仕事です。
 今日は…というか実は昨日もやってまして、今日もそのカメラを担当させてもらえました。
 このショートホールでは最低でも2台のカメラが必要で、上述のF.Tともう一台Gカメがそれぞれティーグラウンド上、グリーン上の選手のプレーの様子を押さえないと番組的にも画になりません。今朝の先発組にはカメラマンは1名しか居られなかったわけですから、もう一台は私の仕事として割り当てていただけたのです。
 
 シフト的には「カメアシ」として今回のゴルフ中継には就いているのですが、SWさんや他のカメラマンの高配により、未熟ながらもゴルフ中継におけるカメラをさせてもらっているのです。
 しかしながら、一日中Teeカメをしているわけではありません。
 9時頃になれば後発組(ホテル8時半出発)が到着し、本来の担当のカメラマンがTeeカメラにやってこられましたので、そこで交代です。
 一日中、一人のカメラマンが一つのカメラをやるのは今回の長丁場のゴルフ中継では不可能ですからカメラマン間の交代があるのですが、うまくいけばまた後ほ私がTeeカメをする機会が巡ってくるやもしれない…と思いながらその場を離れ、私の本来の仕事であるカメアシ業務に戻りました。
 
 私の配属されているホールでは最低2カメが必要であると先ほど記しましたが、実際には全部で4台のカメラが配置されています。
 1カメ:Front Tee (Teeカメ)
 2カメ:Green 受け(Gカメ/G受け)
 3カメ:Green Side(G.S) 
 4カメ:Cart Crane(カートクレーン)
 
 Gカメは基本的にイントレの上に置かれ、Teeグラウンドからピンの延長上にあたるグリーンの後ろの位置に置かれ、ティショットの球フォローを行い、またグリーン上のプレーを俯瞰で撮影します。
 G.Sはグリーンの脇に置かれ、選手を横や正面から捉えて、そのプレーや表情を撮ります。
 
 今回の私のカメアシ業務はG.Sカメラのケーブル捌き。G.Sカメラはハンディーカメラなので選手を捉えるに都合の良い位置へ三脚ごと動くため、ケーブルを介錯する必要があるのです。
 
 さて、暫くするとG.Sカメラマンが休憩に入りました。
 カメラは足場の不安定なグリーンの脇に置いたままになりますので、カメアシがカメラを見張っておく必要があります。
 もちろん、プレーの方は続いていますので、選手がフェアウェー上にやって来ます。
 これは良い機会と思い、私はG.Sカメラでカメラの練習を始めました。
 が、練習を始めて一組目の選手グループがホールアウトしたあと、インカムから「今、3カメ就いているの誰や?」とSWが尋ねられます。
 「○○(私の名前)ですが…」と答えると、「あ、お前か。えっと、この次の組からCSに乗る画を作るから、そのまま3カメをやってくれ」とSWさんからのお達しが入ったのです。本来なら3カメはカメラマンが居ないから動かないものとして、1カメと2カメだけで画を作っていこうと思って居られたようでしたが、折角3カメも動いているのだから、理想的な3カメ体制でスイッチしようと考えられたようです。
 チャンスかピンチか……。しかし、G.Sカメラマンは今し方休憩で何処かへ行かれたばかり。他のカメラマンも今は他の担当ホールに着いて居られるでしょうから、代わりは居ないのです。
 やるっきゃありません! いや、寧ろこれは楽しみでした。
 中継車にはSWさんと共にCSのディレクターも乗り込んでいます。
 その双方のやりとりと指示を聴きながら、画を作っていくのです。
 
 今回のG.Sカメラには24倍の望遠レンズが取り付けられています。
 24倍レンズは、標準レンズよりも長いレンズで、胴も太く、その重さをサポートするアダプタを取り付けないと運用できない代物です。
 無論、そのような24倍レンズを練習で今まで殆ど使ったことなど無いわけで、ましてや生中継でいきなり…というのは初めてです。
 鏡胴の太さも標準レンズよりあり、またリングが若干重いため、フォーカス合わせが巧くできるか心配しながらのスタートです。
 上述しているように、G.Sは基本的にはグリーン上の選手のプレーヤ表情を捉える為のカメラですが、24倍という望遠を活かして、ティーショットからのボールフォローも十分に出来ます。
 ですから、グリーンに選手が上がってくるまでは自分のカメラの仕事はないため、ティーショットの球フォローもやってみようと思い、初ゴルフボールフォローをやってみました。
 結果は、「フォローは出来る…が」という感じ。確かに、ティーグラウンドから打つ瞬間、そして上空へ上がり、グリーンへ向かって落ちてくるボールをファインダーの中心に収めておくことは出来ます。しかし、フォーカスが合わせられません…。
 球を追うのが精一杯ですから、フォーリングを触った瞬間にボールを逃してしまいそうです。
 また、落下するときの方がフォローが難しく、ボールの着地を通り越して、そのまま地面へ潜ってしまいます(笑
 解決策としては、野球の時同様、落下時には多少ズームバックして着地の衝撃を和らげてやること。
 さらにフォーカス合わせですが、これは正しいかどうか判りませんが、ティーグラウンド寄り(球フォロー開始)の際に、手前方向でピントが合っているギリギリのところで合焦させておき、それで球フォローを始めます。すると、今までならピントが狂い始める飛距離の中間ぐらいの所でもピントが合っており、そのまま落下時は徐々にズームバックしていきますから、その際もピントが合い続ける訳です。
 そんなやり方を発見して(やり方があっているかどうかは判りませんし、常に使える手法ではないでしょうが)、球フォローの練習をやっていました。
 グリーンに選手が上がってくれば私の仕事が始まります。
 打つ選手あるいは注目選手ののFFやウエストショットを中心にG受けでは作れない画をG.Sで作ります。
 途中、ディレクターさんからも注文があったりして、それに合わせた画を撮ったりすることもありました。
 一瞬流石にギクリとしたのは、今の3カメの事情を知らないディレクターさんが、「そしたら、次は3カメさんで球フォロー行って、2カメさんで別の……」などと仰ったときです。
 すかさず、カメラを「イヤイヤ」と横に振り、あわてて笑いながらSWさんが「いや、今3カメやってるのはカメアシの子なんですよ。だからちょっとそれは無理なんですわ」とディレクターさんに説明され、今まで通りのパターンへと戻りました。(球フォローはスポーツ中継では失敗の許されない技術の一つなので、軽々に「自分がやります」などとは言えません)

 心配だったフォーカス合わせは昨日と今朝のF.Tカメラのお陰もあって、特に大きく狂ったり、また軽くボケっぱなし…ということもなく、ズームイン/アウトをしながらピントを合わせ続ける事も大分出来るようになってきました。
 そうやって部分的に入ってしまったG.Sカメラ@CS中継の仕事が無事に終わり、暫くして帰ってこられた本来のカメラマンと交代して、再びカメアシ業務へと戻った顛末です。

 本隊の仕事は夕方…と呼ぶ時刻よりは早く終わったのですが、CS中継は全てのプレーが終わるのを放送して、終了が17時半。
 昨日より仕事が終わったのは早かったとはいえ、朝早くからの長丁場で、また予想外の展開もあったりと結構疲れた日になりました。

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■2003年09月14日(日)  連日快晴! またまた肌が黒くなりました…。
 ゴルフ中継の出張が終わりました。
 現在、帰りの2階建て新幹線の中でこの文章を書いております。

 最終日の今日は朝8時にホテルを出発。
 現場に入って、いつも通りにハンディーカメラを設置して、今日一日のカメアシ業務が始まります。
 といっても、それほど多くの仕事があるわけでもなく、テント周りの片づけが終われば本番スタンバイまで時間がありますのでカメラの練習をやりにいきます。
 練習の内容は選手の居ない時間帯はティーグラウンド上にある被写体を使ってズームやパニングの練習をしています。
 先日の練習の際に「お前のズームはガクガクや」と言われてしまったので、綺麗で滑らかなズームを練習するのにこのゴルフ出張中は必死です。
 極端なスローズームをワイド端近くからテレ端付近まで画を決めて何度も行います。画を決めながらのズームの練習ですので当然パン・ティルトを織り交ぜてのカメラワーク。
 毎回同じ画でズームインとアウトを決めないといけませんので、画角にも気を遣いますし、当然スローズームですのでその速度や「ガクガク」にも腐心しながら何度も何度も同じ事を繰り返します。
 こういう極端な練習をしていると、普通の速度のズームなどは比較的楽なります。
 他には、ティーグラウンド上にある2つの「ティーマーク」をカメラで行き来する練習です。
 ひとつのティーマークを画面いっぱいに収めて、そのままもう片方へパン。パンといっても若干斜めに動かす必要があるので、パニングをしながら幾分かティルトしていきます。
 2つのティーマークは4メートル前後離れているので、当然画面いっぱいに収めているとそのままでは片側のティーマークではピントが狂います。
 ですから、パニング中にもう一つの方のティーマークにあったピントを探っておき、いずれの側でもティーマークは合焦しているようにする……という練習です。
 画面いっぱい(あるいは、双方が同じサイズ)になる様にズームをしながら、ピントを送り、もちろんパニングしながらティーマークが画面に入ってくるようにする…。
 正直上手くできません。
 奥のティーマークから手前のティーマークへ持ってくるカメラワークは比較的上手く出来るようになったのですが、その他反対はどうしてもパンの終点でティーマークを探してしまいます。
 まだカメラと自分の目線方向が感覚で一致していないのです。

 そんな練習を2時間ぐらいずっとしていると、やがて選手が入ってきます。
 選手が来れば、今度は本番のカメラワークと同じ事を練習します。
 もちろん練習といっても選手が被写体ですからスイッチングされてVTR収録が行われ、場合によってはオンエアに使われてしまいますので、真剣勝負です。
 選手が前のホールからホールアウトしてくるところをフォローするところから始まり、選手のFFやウエストショットへ。
 ボールを打てば選手にズームインして、リアクションをフォロー。
 そして次の選手へカメラをゆっくりと振って、また同じ事をします(同じといっても選手の状況やクラブの種類にとよって違ってきます)

 そして本番が始まれば担当のカメラマンと交代して、普段のカメアシ業務へと戻っていくのです。
 
 そして、プレー終了。
 最終日ですので機材撤収・布線解除です。
 今回の撤収は、我々が担当したホールの規模が小さかったことや機材そのものが少なかったことで、普段よりもかなり早く撤収することが出来ました。
 22時半頃には大阪に帰り着く予定です。

 明日は朝5時出勤。
 野球中継です! いよいよ優勝か!?
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■2003年09月15日(月)  六甲おろしが木霊す関西にて。
 優勝しましたね。
 目の前で優勝しました。

 今日は、朝の5時に会社へ出勤。
 昨日までのゴルフ中継に使っていた機材を今日の仕事に使うために車から機材を移し替える必要があります。
 センターセッティング込みのゴルフ中継と比べれば機材は少ないのですので、6時前ぐらいには機材の移し替えが終わって各業務別に出発準備が整います。
 出発直前、急に今日私が入っているはずの仕事のTDさんから、「急な話で悪いが、今日はお前は甲子園(の仕事)に入れ」と言われて、急遽業務変更。
 今ひとつ状況の把握できていない別の仕事へ回ることになりました。

 6時過ぎに会社を出発して、甲子園球場へ。
 球場周辺には既に多くの阪神ファンが場所取りをしており、朝も7時になっていないにも拘わらず、すごい人数です。
 大型の中継車が入るのにも、ちょっとお客さんに場所を立ち退いてもらったりして車を入れるのだけでも一苦労。
 中継車が全て入れば、セッティング開始です。
 今日は「優勝」の可能性が極めて高い日と目されていましたので、カメラの台数は16台。
 スロー再生用のVTRは5台……と高校野球を上回る規模で18年越しの瞬間を余すところ無く捉える為の体制が立てられます。
 さぁ、そうなると準備が大変です。
 カメラマンたちは既に簡単な打ち合わせに入っておりますので、機材の準備は我らカメアシの仕事。
 しかし、誰も当然どの機材が何処に使われるのか把握していませんので、私はCA隊長としてセッティング表を片手に指示を出していきます。
 無論私も朝いきなりこちらの仕事に就いたために、セッティング表以上の事は判りません。
 それでも、経験の豊富な他のカメアシさん達のお陰もあって、カメラ機材の分配が完了。

 ただ途中、より良い中継を行うためにとあれこれ変更が続いたため、最終的な状況を把握することがかなり困難になりました。
 また、変更された情報が全然下りてこず、カメラマンの一部で情報が留まっているために、事態を把握出来ていない私はこれまたあれこれ怒られてしまいます。
 正直何度も「お言葉を返すようですが…」と言いたくなりましたが、ジッと耐えます(笑)

 カメラの使われ方やカメラマンの移動予定なども二転三転したため、そのたびにカメアシの割り振りを考え直さないといけません。
 本日のカメアシは私を含めて5人。そのうち一人は、専門学校から課外研修に来ている子だったので実質的な動きは期待できず、「見学」が出来るようなポジションを割り当てないといけなかったりと考えておかないといけないことも沢山ありました。

 さて、変更の影響は遂に私の本日の業務内容まで関わってきました。
 今日の中継はカメラマンの数に比してカメラ台数が多く、カメラマンの移動が必要なカメラシフトになっていたために、カメラマンの行動が制約されてしまう状況になっていました。
 そこで急遽、放送席カメラの担当が私になったのです。
 
 さぁ、そうすると実質的なカメアシは3人になります。
 これで、さらにさらに「現場で今し方提案されたアルプススタンドカメラ」のケーブル捌きをそのメンバーでする必要がありますのでもう混乱混乱。
 誰をいつ何処に移動してもらって仕事をしてもらうか、急いで考えます。
 
 そして試合開始。
 もう異様な熱気です。興奮です。
 この夏に体験した高校野球のアルプススタンドのあの雰囲気が、外野席から内野席まで全てに広がったような…そんな圧倒的な気迫、希望、期待が甲子園球場に充満していました。
 
 まぁ、私の試合中の仕事は大したことはなく放送席の実況者と解説者の方々をフィックスで押さえておくだけ。
 ただ、関西地区で日中に某民放局で阪神vs広島戦を見て居られた方は、放送席のみ私の撮った画であった訳です(笑
 
 そして、九回裏1アウト満塁…。
 赤星が右翼頭上を越す殊勲の一打を放っちサヨナラ勝ち。
 これでひとまず我々の仕事は終わります。

 さて、阪神が今日優勝するには阪神が広島に勝つだけでは決まりません。
 マジック対象球団たるヤクルトが本日の横浜スタジアムで行われている対横浜戦で負けてくれないとダメなのです。
 そして、ヤクルトvs横浜戦は16時からのプレーボール。
 甲子園球場では、バックスクリーンにCS放送のヤクルトvs横浜戦がビジョンに映し出され、普段スタメンが表示される電光掲示部には「於:横浜スタジアム」の文字と共にゲームスコアがリアルタイムに表示されます。
 それを、試合を観戦しに来た阪神ファンはスタンドでジッと見つめ続けます。
 それは不思議な光景。
 グラウンドには選手は誰一人居らず、しかしスタンドは試合中と同様の満員の観客。
 そして、試合の終わっている甲子園球場には、ヤクルトvs横浜戦を球場内ビジョンで観戦する観客の歓喜と溜息の声が響き渡ります。
 ちなみに余談ですが、このビジョンに映し出されていたのはCSのスポーツ専門チャンネルのsky・Aの映像。
 中継では「ビジョンを見つめる観客の画」というのも使われますので、どうしてもそのsky・Aの画が入ってしまいます。そのため、事前にsky・Aとの権利交渉を行っています。
 ビジョンのみを画面いっぱいに写さなければOKということで話はついており、その旨を各カメラマンには事前の技打ちで知らされていました。

 ヤクルト戦が終わりに近づいてくると、一旦グラウンドを後にしていた阪神の選手達がベンチに戻ってきて、ビジョンを見つめます。
 スタンドで巨大ウェーブが起これば、選手達も一緒にウェーブをしたりと観客と選手達は一体。
 また、阪神にはアリアスという外国人選手が居ますが、彼がベンチ横のカメラマン席にある中継カメラ(3カメ)を操作するという一幕も。
 インカム越しに「なんで3カメが動かないのかと思えば、アリアスが触っとるわ」とTDさんが言われ、他のカメラがその様子を撮ります。
 私もリターンでその映像を確認すると、それは我々のカメラではありませんか。(中継カメラは他の民放局も入っている)
 「で、これがアリアスの撮っている映像」と3カメがスイッチされます。
 リターンを見てみると、外野付近の客席がピンぼけの状態で映っていました(笑)
 そんな感じで、ヤクルト戦の結果待ちは終始穏やかな様子。

 そして18年間の悲願が果たされる瞬間です。
 観客同様、ビジョンを見つめていたベンチにいた選手達が、ヤクルトの負けが確定した瞬間に飛び出します。
 阪神タイガース、18年ぶり4回目のリーグ優勝が果たされました。

 何という年に、この仕事に就いたものでしょうか。
 阪神優勝という瞬間を、テレビ中継の仕事をもって迎え、そしてその一部ながら伝える事が出来たと言うことに、何とも言えない奇縁を感じます。
 
 優勝セレモニーが行われ、それが終わって撤収をして22時。
 今日は朝から色々とややこしいこと、そして圧倒される空気に包まれて、「疲弊」という言葉が似合う一日になりました。
 明日は14時に現場集合です。

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■2003年09月16日(火)  ふれ〜っ、ふれっふれっふれぇ〜。
 昨日はビール掛けして、朝まで騒いでいたのに、強い強い(笑)
 というわけで本日も甲子園。
 セッティングは基本的には昨日のうちに済んでいるために、14時に現地集合です。
 一部機材の変更がありましたのでそのセッティングだけを早々に済ませてしまって、あとはプレーボールまで待機です。
 カメアシ連中は、プレーボール前の繁忙期に備えて3時過ぎには夕飯を食ってしまいます。
 私は16時過ぎからの技打ちに出て、今日のカメラの動きを把握しなければなりません。
 それと同時に他のカメアシさんにはカメラ番の仕事へそれぞれ就いてもらいます。
 今日は外野ライトと一塁側スタンドのカメラが客席内に置いてあるカメラでしたので、事故防止のためにカメアシが張り付いておく必要があるのです。
 
 技打ちが終わり、今日の動きを把握すれば各カメアシさんにケータイでスタンバイ時間とカメ調の時間を連絡します。
 そして私はカメラの練習へ。
 昨日は大変に現場がややこしかったためにカメラの練習などする時間など無かったのですが、今日は1時間弱の時間的な余裕があったため1塁側カメラ席の3カメへ。
 今日の3カメはデマンド仕様。つまり「押し引き(ズームシャフト)」ではなく電動サーボでのズームです。
 さて、練習内容は一塁⇔二塁ベースを行き来して画面にピッタリと収めてピントを取ること。
 しかし、なかなかベースが収められません…。
 またベースの画面内でのサイズも一塁/二塁ベースとも同じサイズにしたいのですが、デマンドには慣れていないので、まったく同じサイズになりません…。
 暫くそんな練習をしていると、直ぐにカメ調の時間です。
 グレースケールをカメラの前で掲げて、ホワイトバランスの調整をVEさんにしてもらいます。
 私は内野カメラ担当でしたので、全部で5台分。外野は別のカメアシさんに4台を行ってもらいました。

 本番中は今日も放送席カメラ。
 もっとも放送席顔出しは試合開始の時に一回きりで、後は全く仕事が無く試合を観戦していました。

 今日はナイターでしたが阪神にとっては消化試合ということもあり、生中継ではなく深夜の録画中継です。
 今、この文章をその試合のVTR中継を見ながら書いていますが、テレビを点けた時間が放送開始から5分後だったため、自分の撮った顔出しのシーンは見逃してしまいました……。
 考えてみると、最近はちょくちょくカメラをやるようになりましたが、自分が撮った映像がTVで流れていても、それを自分で見たことがありません…。
 夏の高校野球の応援実況は地方の人しか見られませんでしたし…そのほかはCSのために自分ちでは見られなかったり…。

 試合が終了すれば撤収です。
 昨日・今日と私はCA隊長だったこともあり、また昨日のカメラマンや他のカメアシさんが全然今日は就いて居られなかったこともあって、昨日のセッティングの状況を把握しているのは私と、VEさんと、カメラマンが一人だけ…。
 ですから、撤収後の機材が全て揃っているか…などは全て私がチェックする必要がありましたので大変でした。
 
 機材は無事に全部帰ってきており、21時過ぎには甲子園を後に出来ました。
 明日は、急遽お休みになりました。
 明後日からはまたゴルフ中継ですので、明日はゆっくりと休息します。
 

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■2003年09月18日(木)  Do you like the relay broadcasting of GOLF?
 只今、三重県です。三重県でも、愛知県に近い三重県です。
 ということで、先週に引き続き出張中。もちろんゴルフ中継です。

 昨日は予定外の休暇を頂けたので、急遽 EDIUS ver.1.5 を作成してアップデートしてましたが、出張前日が休み…というのはたぶん初めての事なので、なんだか今回の出張は「おお、今日から出張か!」という気概が全く起こってきません。
 ゴルフ出張の場合、大抵前日は機材の積み込みが多かれ少なかれあるのですが、今回は東京の応援という形でスタッフのみの合流となりますので、積み込まねばならない機材はほとんど無く、そのため「機材準備」として割り当てられていた昨日が休暇に変更となったのです。

 さてさてさて、今日は現場入り初日ですからセッティングだったわけですが、殆ど何もすることなく終わってしまいました。
 はっきり言って「楽」です。
 それもそのはず、先輩の話によると「このゴルフ中継はうちの会社でも一番楽な中継」だそうです。
 オンエアそのものはきっと他の中継と変わらないのですが、とにかくセッティングが楽です。
 今回のゴルフ場は大変に整備の行き届いたゴルフ場で、そのためゴルフ場側より「木々にケーブルを架けないで欲しい」という要望があり、布線は殆ど地面を這わすことで済みました。布線で疲れるのは、木々を架線していくことですから、それをしなくて済むというのは、本当にありがたい話なのです。
 また、ケーブル最大長も600メートルですから簡単なものです。

 カメラ台数も、私が担当したホールは5カメ体制。
 バックティー・セカンドハンディー・グリーンサイド・グリーン受け・クレーン。
 そのうちデカカメは3台でしたので、あっという間にカメラの組み立ても終わってしまいます。
 カメラチェックも早々に終わってしまし、現場を引き上げたのは16時過ぎ。
 セッティング日にこれほど早い時間に終業というのは、今まで私は経験したことがありません。
 
 とにかくも、なんだかのんびりしたセッティングになりました。
 明日からはオンエアが始まるようなので、多少は忙しくなりそうですが、普段通りにカメアシ業務に精を出したいと思います。

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■2003年09月20日(土)  昨日は呑みすぎで、眠くて…更新できませんでした。
 出張といえば、「夕めし」も大きなイベント。
 ホテルに帰ってから、「では、ロビーに○時集合」という感じで、各課ごとに夕飯の約束がとられて、夜の街へと消えていきます。
 映像課は人数も多いと言うことがあって、全員まとまってメシを食いに行く…ということはあまりありませんが、若手集団と大ベテラン集団とに大まかに分かれて食べに出ることが多いです。

 さて、夕飯ですが何より驚いたのが、毎晩毎晩とにかく呑みまくる事。
 本当に皆さんお酒好きです。
 私はあまり酒には強くない方なので結構たいへん。呑んでも基本的には自分のペースを崩さないのですが、しかし「眠くなる」質です。
 ですから眠気を抑えるのに必死(笑) 前回の出張でもいつもと同じく毎晩毎晩4時間近く呑んでいましたが、その時も眠くなって、ウトウトしてしまい、それが見つかって怒られたりと現場以上に大変です。
 今回の出張では寝てしまったことはありませんが、それはとにかくとして、3〜4時間も飲み続けていたら、アルコールが効いて眠いのか昼間の疲れが出て眠いのかとにかく判りません。

 呑み終わったら最後はもちろんお会計。
 毎晩毎晩、一人頭3〜4千円ぐらいの金額になりますが、たいていの席では先輩(厳密には、パチンコで勝って帰ってきた先輩)が福沢諭吉をバンっと出して、残りの金額を一人ずつ払って「ごちそうさまです!」となることが多いので、まぁだいたい千円から2千円ぐらいで毎晩食事しています。
 
 今日は出張最後の夜なので(?)焼き肉へ行く予定。
 以前、中継のメンバー大人数焼き肉屋に行ったことがありましたが、お会計が10万を超えたことがありました。
 人数も多かったので、まあそれなりの金額かなぁ〜とも思いますが、一人頭5千円は下らなかったような気がします。

 さてはて、今回はどうなる事やら…。

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■2003年09月23日(火)  腰痛の次は、右膝で…今は左肘かよ……満身創痍まで、あと○○日。
 本日はドーム球場での野球中継の仕事。今回はカメアシです。
 世間は休日らしく、球場には朝からお客さんが大勢。
 このドームでの中継は、CS放送への中継ともう一つビジョンへの映像出しの仕事があります。
 ビジョンの方は常に映像が出ているわけではありませんが、しかし画が出るときはCSで使っているカメラの映像が使われるわけですから、カメラマンは気が抜けません。
 赤タリーがオンエアに乗っている場合、グリーンタリーがビジョンで使われている場合となっています。

 このドーム球場での中継カメラ台数は4台。
 甲子園などでのカメラ台数は5カメ以上ということが多いので、このドームでの中継は、普段より少ない台数でのスイッチングとなります。
 さて、カメラの台数が多い場合と少ない場合、どちらが技術的に大変でしょうか?

 これは、見る側面によって変わってきますので、正解はないのですが、結論としてはどちらも大変だろう…ということです。
 カメラの台数が多いときは、スイッチングが難しくなります。この場合、一つの状況を多くの台数で捉えているわけですが、その中から最適な映像を見つけて選択していくため、スイッチャーの瞬時の判断力が必要になってくるでしょう。
 またカメラマン側も台数が多い分、同じ画を撮ってしまう…という可能性もあります。台数が多いのが災いして遊兵を作ってしまう訳です。常に他のカメラが何を撮っているか考え、自分が何を捉えるべきかを探る必要があります。

 反対に、台数が少ない場合は一台のカメラが負担する役割が多くなります。「自分はこれさえ撮っていれば」…とは行きませんから、自分のタリーが消えた瞬間に直ぐ次の画を探し用意する必要があります。台数が少ない場合は、カメラマン同士の連携が重要になってくるようです。
 またスイッチャーには、今回のような4カメの場合、同時に4つの選択肢しかないのですから、その中から最適な画を選んでスイッチする必要があり、少ない材料での構想力が求められるのだと思います。

 4カメ体制というのは野球中継では、基本的な撮影要素が全て詰め込める「ベーシックセット」といえます。5カメ体制になると多少余裕が生まれ、特に選手の表情などを豊かに伝えやすくなります。
 今日は私はカメアシで現場に入っていましたが、本番中はサブ(副調整室)でモニタを見ることが出来ましたので、4台のカメラがそれぞれその時に何を撮っているかを把握し、またどのようなスイッチングがなされているのかを勉強させてもらいました。
 状況に対してかなりギリギリのところでカメラが動き、スイッチングがなされる場面もありましたが、それぞれのカメラが瞬間瞬間にきびきびと動き、皆それぞれ違った画で目の前の状況を捉えているという事を目の当たりに出来ました。

 今日は試合終了後に、球団のファンに対する感謝イベントが行われました。
 選手達の愛用の品をプレゼントするという趣旨のもので、グラウンドに品物(主にバットやシューズなど)を提供する選手が出てきて、抽選会を行い、来場したお客さんに贈品しました。
 その様子をビジョンに出すために、本来はダッグアウト横のカメラマン席に置かれている「デカカメ」を一旦三脚から外し、「三脚」と「カメラヘッド+レンズ」 に分けてバッターボックス付近まで運び、再び三脚に乗せて撮像する…という普段ではあまりやらないセッティング変更を行いました。
 デカカメヘッド+レンズ は組み合わせたままの状態では持ち運ぶことを想定されていませんから、バランスが大変に悪く、大概はレンズの方が重いので思いっきり前重状態です。ですから、ヘッド部分の取っ手を握り、レンズ部分を片腕で抱くようにして二人がかりで運びました。
 それを2台……。

 プレゼント抽選会の方は、まずまずの盛り上がり。
 某球団の応援風景を目の当たりにしてしまうと、この球団のそれは少々寂しい感もありましたが、それでも選手が使用した品が貰えるかも知れない…と会場のあちらこちらから歓声と溜息が聞こえておりました。

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■2003年09月24日(水)  秋雨。
 関西も先日より急に寒くなってきました。
 この間までは、短パンにTシャツという格好で仕事をしていましたが、昨日からは長ズボンに長袖のカッターシャツをTシャツの上に羽織った秋口の格好。
 言い換えれば比較的私の好きな服装の時期となってきました。

 今日の仕事は甲子園。
 ですが、ご存じのように雨天のため試合は中止。14時に現場集合…とお昼からの出勤でしたが、15時55分に試合中止の発表があり、結局終業は16時半。
 この試合中止の発表が出るまでは、ずっとキャラバン(ハイエース)の中で雨を凌ぎます。裏情報では、某球団のコーチ陣が明日ゴルフの予約を入れているので、今日は是が非でも試合を強行する! という話が流れており、また16時には雨が止むという出所不明の話も聞かれました。
 実際、15時45分頃よりそれまで強く降っていた雨が急に止み、遠くには明るい空が見えてきたではありませんか?
 試合開催か中止かの発表は16時という予定でしたので、この天候の回復と球団内の勢いが相乗して、今日は試合があるのではないか…とキャラバン内では予測されましたが、結局試合中止の連絡が入り、すぐさま解散となりました。
 こういう雨の日は機材の養生や後かたづけが大変に鬱陶しくなりますし、試合中も外野席や屋根のない場所のカメラマンにとっては最悪なコンディションです。
 ですから、いくら野球好きのカメラマンでも、こういう悪天候の日は試合が中止になってくれる方が好ましいわけで、皆で試合の中止を願ったわけです。

 試合は明日が予備日ですので、機材はそのまま(機材の組み立ては昨日も試合があったので、昨日のうちに終わっています)で、明日試合が行われる予定です。
 私もそれに伴い、シフト変更で明日も甲子園付きになります。
 
 本当ならこの日記を書いている今の時間帯(19時)は、球場に居るはずでしたが、雨で生まれた思わぬ休息時間を活かして、色々と部屋で遊んでみたいと思います(笑) 

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■2003年09月25日(木)  秋雨来たりなば、幸遠からじ。
 本日も、雨で試合が中止。
 ネタが無い…。

 今日も、昨日と同じように14時に甲子園球場に集合。
 空は雨模様で、また16時まで待機するとのことで、時間を潰します。
 が、途中雨も止み、今日はいよいよ試合があるか…とも思われましたので、VEさんが「回線とカメラチェックを行いたい」と仰り、15時頃にカメラマンとカメアシ一同は球場に入って、カメラを覆っているカメラカバーを外しカメラの動作チェックやバックフォーカス調整などを行いました。
 が………その作業をやっている最中に、場外スピーカから「本日のプロ野球の試合でございますが、グラウンドコンディションが優れないため、ご来場のお客様には誠に残念ではございますが、中止と決定いたしました」と聞こえて来るではありませんか……。
 直後にインカムからも中止決定の連絡が入り、今しがた外したばかりのカメラカバーを再びカメラに被せ、カメラマン一同「俺ら、何しに来たんや…」と呟きます。
 
 中継車に戻って1530時、解散。
 皆、本当に何しに来たいのか判らない…という様子で甲子園駅に吸い込まれていきました…。

 というわけで何も無い一日だったのですが、帰りの電車でカメラマンの先輩が私に一言。
 「次のゴルフ中継。お前、Teeカメで入れておくし、頑張れよ」
 ………お。
 おぉぉぉぉぉっ! 遂にゴルフ中継デビューです。
 Teeのカメラといえばゴルフ中継カメラ新人の登竜門。
 こう仰ってくださったカメラマンは、次のゴルフ中継でのTD。
 「お前も、カメラやってみんと判らんやろうし、俺らも使ってみんとお前がわからんからな」
 ということで、いよいよ本番で試される時が来ました。
 
 帰りの電車では、Teeカメの動きで私が疑問に思っていることを幾つか質問してみて、色々と教えて頂きました。
 また、これからは他社でもゴルフ中継の番組が多い時期ですので、それらを見て勉強しなければなりません。(もちろん、今までも番組を録画して勉強していましたが…先日のゴルフ中継での練習を受けて、更に見るべき視点を定めて行く必要があります)
 さらに、ゴルフのルールには明るくありませんので、雑誌などで予習しておく必要もあります。

 私のゴルフ中継デビューは10月の第2週。
 さて、どのようなデビュー戦となるのでしょうか。もちろん結果は私の努力次第です!

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■2003年09月27日(土)  ビール掛け…というのを体験したかった気もします。
 ビール掛け、ビール掛け〜。
 ……と、本日はダイエーホークスの優勝が目された日でした。
 そのため本日の私の仕事はビール掛け会場…もとい、優勝祝賀会場の生中継のカメアシ。
 神戸の某ホテルに朝9時半すぎに入り、セッティングを始めます。
 祝賀会場となる舞台はショッピングモールを持つ地上38階建ての大きなホテル。
 そのホテルの横の道に中継車をつけます。我々が現場に着いたときには既に他社の中継車がずらり。
 しかしながら、心配することはありません。全て停める場所などは各社予め決まっているのです。
 中継車をつければ、次は布線……と言いたいところですが、今回のセッティングは少々ややこしいため、まずはホテルの中に入り、ケーブルルートや会場のロケーションを全員で確認することから始まりました。
 高級ホテルに、ジーパンや綿パンにTシャツの集団がぞろぞろと入っていきます。何か違和感を感じますが、これも仕事です(笑)

 ……が、ややこしいことこの上ありません。
 いや、ややこしいことは本当は無いのでしょうが、以前に現場の下見を行い案内をしているSWさんが、迷っていますので、それに右往左往してホテル内のあちらこちらを行きつ戻りつしている我々には全体の状況が把握できなくなります。
 たどり着いた会場へも、結局どうやれば真っ直ぐ来られるのかもよく分かりませんでした。

 中継の舞台となる会場は三カ所。記者会見会場、各局のインタビューブース、そして祝賀会場(ビール掛け会場)です。
 それぞれ、9階、12階、1階と会場となるフロアーは分散していますので、それぞれの会場に垂直な布線を行っていきます。
 ホテルの外壁にケーブルを這わし、庭園を横切り、再び外壁を下り…といったコースや非常階段からケーブルをおろす…といったルートがありました。
 各社とも同じ所に中継車を停めているのですから、ケーブルのルートはほぼ同じコースになります。ですから、各局のケーブルが川の様にホテル内の廊下を這い、柵を越え、非常階段を下ります…。
 
 大変なのはこの布線ぐらいで、それが終われば後は待機です。
 ダイエーの試合開始は13時。マジック2としているダイエーが本日優勝を決めるには、ダイエーが試合に勝ち、且つ同時に西武球場で行われている 西武vs近鉄 で西武が負けてくれないと優勝を決めることは出来ません。
 昼過ぎにはほぼセッティングが終わっていましたので、とにかくも試合終了まで待機です。
 
 今回の中継のシステムですが、優勝祝賀会の中継の模様は各局のカメラと共に、代表取材の形態も採られました。
 今回の代表取材は関西テレビ。
 ですから、セッティングの段階で関テレのカメラ映像が各局の中継車に引き込まれます。
 さらに、別のCS局からダイエー対オリックス戦の中継映像をもらってきて、それを関テレの中継車に引き込み、さらにそこから各局へ分配することで、各局の中継車の中でダイエー戦を観戦できるようになっていました。
 また、スタッフの中にもラジオを持っている人もいて、それで皆が試合経過に聞き入りました。
 西武の負けが早々と決まり、ダイエーのマジックは1へ。
 後はダイエーが勝つか負けるかです。
 序盤、オリックスを追いかける形で攻め続けるダイエーは、6回に逆転を見るも、7回裏でオリックス山崎の満塁ホームランで再び引き離され、敗退の色が濃くなりました。…がしかし、9回に2点を入れ込んで、同点延長戦へ。
 現場のスタッフも、そしてホテルの従業員さん達も試合の行く末が気になって仕方がありません。
 そして、10回裏。オリックス後藤がソロホームランを放ち試合終了。
 同点でも優勝出来たダイエーは、残念ながら本日に胴上げを見ることはありませんでした。

 撤収〜〜。
 朝から現場に張り巡らせた布線を解除します。
 今日一度も中継に使われることが無かったケーブルを巻き取り、カメラを引き上げ、機材車に戻していきます。
 撤収作業そのものは布線が大規模な物ではありませんでしたので、簡単だったのですが、大変だったのはエレベータを使って機材を階下へ降ろすことでした。
 私の会社は撤収が早かったために、まだ比較的スムーズにエレベータを使って機材を降ろすことが出来たのですが、“入り中”(ニュースなどの番組の途中に現地から入る中継のこと)をやっていた局などは、撤収が遅くなりエレベータの前で機材を乗せた台車で列をなして、大渋滞を起こしていました。
 
 結果的に肩すかしを食らった今日一日でしたが、それでも13時間労働です。
 なんだか今週は、「待つのも仕事」という標語を身を以て体験した日々となりました。

 明日、明後日は久々の連休です。

 ↓<写真>ホテル横の道に出来た中継車の列。私の会社の中継車は一番奥です。
030927.jpg 550×413 42K

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■2003年09月29日(月)  色々と良い経験をさせてもらいました。多謝。
 今日はお休みだったのですが、それを利用して久々に個人的な趣味でのビデオ撮影を行いました。
 今回の撮影は、小学校の「ダンス」
 先週末、高校時代からの友人で、現在は小学校の教師のN氏より「うちのクラスのダンス競技を撮影したい」という話が入りまして、初めは機材だけを借りられれば…という事だったのですが、彼が撮影を予定していた日が偶然にも私の休暇でしたので、それでは「カメラマンごと欲しい」と言われ、故郷滋賀県に私が帰っての撮影となったわけです。
 
 さて、依頼の具体的な内容ですが、それは以下の通りでした。
 夏休み前、彼のクラスの生徒が一人、九州の方へ転校してしまったそうなのですが、ビデオレターでこの秋に行った「運動会」での演目の“ダンス”の様子を収めて、またメッセージも込めてその生徒に送りたい……というものでした。
 
 撮影前日の昨日、大阪の部屋を出る前にN氏に色々とビデオレター内でやりたい事を電話で聞いて、持っていく機材を決めます。
 2カメ体制を採ることを前提にしていましたから、VX2000とTRV900を持っていくつもりだったのですが、会場が体育館という事でしたので、照度環境の悪いところでTRV900は画質的に不利で編集でスイッチングすると画質差が出すぎると判断し、急遽 ZIXIR の KOHSHI氏に連絡を取りVX2000をもう一台手配し、VX2000二台での体制にしました。
 さらに、取りこぼしが出来ないので機材の故障を考えてTRV900も予備で持っていくことに。
 またメッセージを入れたいということでしたので別途マイクも用意。
 現地音収録用とコメント用に二本準備することにしました。
 
 滋賀に持って帰った機材は、ビデオカメラ2台+撮影機材一式+三脚+撮影小物や着替え+ノートパソコン。(もうKOHSHI氏ののVX2000は滋賀県に帰ってから受け取ります)
 両手両肩いっぱいの荷物です。

 撮影時間は「1時間目」。1時間目しか体育館が空いていなかったらしく、予想外に朝早くからの現場入りです。
 7時半過ぎに小学校に着いて、N氏の出勤を待ちます。
 職員室で「来校者」バッヂをもらい、会場となる体育館へ。
 N氏は朝の職員会議がありますから早々に体育館を出て行き、とりあえず私一人でセッティング。
 8時半にクラスの生徒に「朝の会」で紹介するから教室まで来て欲しいと言われていたので、収録チェックとマイクチェックを済ませてからN氏の受け持ちである2年生の某クラスへ向かいました。

 さて教室です。
 小学校2年生ともなると朝からテンションが高い高い。
 教室の前で簡単にN氏が私の紹介をして、そして私が皆に挨拶をします。
 N氏が「何かアイテムを持って教室に入ったら、ウケるよ」と言っていたので、“重武装”したVX2000を携えての挨拶です。
 挨拶直後から早速カメラに対する質問の嵐。
 こういう来客者の存在というのは生徒達にとって大変に良い経験になるらしく、またその中で来訪者に興味を持って色々と質問したり、一緒に作業したりするのは教育上大変に重要なことです。
 カメラも比較的自由に触ってもらい(ハンドルグリップだけは私がしっかりと握っていましたが)カメラに親しんでもらいました。
 撮られる事よりも、撮すこと(映っていること)に興味を持つ子が多く、レンズの前に立つことよりもファインダーを覗きたがります。
 押すな押すなと、見たい子には一人一人ファインダーを覗いてもらって、そうすると皆、「うわ、映ってる」と歓声を上げます。

 朝の会が終わると、早速体育館へ。
 私の周りには男の子も女の子も寄ってきて、取り囲まれて、お喋りしながらの移動。
 体育館に到着すれば直ぐにN氏にバトンタッチして、私はすぐさまカメラ位置などを調整します。
 1カメをステージ上に構えて全体を撮すフィックスに、2カメを私の手持ちで個別のグループ、FF、アップを中心とした撮影にしました。
 
 ダンスは人気ヒーロー戦隊特撮系の番組のテーマ曲に合わせて踊ります。
 当然、私がこのダンスを見るのは初めてですから、まずはリハーサルをしてもらいました。
 ここでもカメラを回し、編集時の予備、あるいは一回の手持ち撮影では押さえきれないシーンを撮ってしまいます。
 同時に、ダンスの流れを把握し、本番で大胆にカメラワークする箇所を設定しました。
 
 そして本番。
 2台のカメラの同期を取るために、デジカメのフラッシュを焚いて基点にします。
 リハーサルで大体の動きは判りましたら効率的に動いて、動きの大きいシーンや子供達の表情が豊かに撮れるシーンを順番に押さえていきます。
 また、陣形の変化があるときは全体の引きの画の方が状況がわかりやすいので、その際はステージ上の1カメの画に任せて、ハンディーの方は大きく場所を移動して次の撮影ターゲットを絞り、撮影を続けます。 
 無事にダンスの撮影が終わり、次はメッセージを吹き込みます。
 ダンスに意外と時間が取られてしまったため(体育館に入ってから生徒を整列させるのも、1回目のリハーサルが終わって本番に入る準備をさせるのも一苦労ですから…)N氏が生徒の輪の真ん中に立って、一人でメッセージを言う形で撮影しました。

 そして、メッセージを言い終わったあたりで丁度1時間目終業のチャイムが鳴ります。
 またまた生徒達に集られて、カメラを触られまくられながら機材を撤収。
 N氏には2時間目の普通の授業の様子も撮って欲しいと言われていましたので、VX2000一台を残して後は車に片づけ、2時間目の「国語」の授業をしている教室へ向かいました。
 カメラが入った瞬間に国語の授業が成立しなくなるか…とも心配しましたが、カメラを気にする子はいても、朝の会の時のように“はしゃぐ”子は居らず、多少集中力の無い小学生低学年らしい態度の授業風景と成りました。
 さて、予期していなかったのは次の瞬間でした。
 今日の国語の授業は「漢字」の授業だったのですが、課題の漢字である『牛』『船』までを教えていたN氏が突如「次は宏哉先生に授業してもらいたい人〜〜っ!!」と教室に伺い、生徒達全員が「はいっ」「はいはいっ」「はーい」と返すではありませんか。
 この男は何を血迷った事を言い出すか…と思って愕然としておりましたが、結局教鞭をふるっている私がそこには居ました(笑)
 教えた漢字は『肉』。読み方、書き順、書くときの注意点(“はね”や“とめ”)、作れる熟語などを説明します。
 このあたりの指導のやり方というのは多少なりとも家庭教師をしていた事が効いているようです。(※もちろん、1対1という授業と、1対多という授業ではノウハウは全く違うのは承知の上ですし、一過性の指導と長期にわたる教育が別物であることも判っています)
 また、私自身「教える」のも好きですし、周囲からも「教えるのが上手い」と言われてきましたから、正直教師という職業も満更では無いと思っています(笑)
 ピアノ、習字、水泳は出来ますし、何より子供が好きですしね。
 まぁ、ちょっとしたイベントとしての代理教鞭でしたので、「肉」だけ教えてそれで直ぐN氏にバトンダッチしました。
 生徒に「N先生より、宏哉先生の方が(字が)上手い」と言われてN氏は凹んでいましたが……。(書道:N氏−無級/私−六段)
 
 その後も授業風景を撮影して、三時間目の最初にお別れす。
 「給食、食べてって〜」「帰らんといてぇな」とせがまれながらもお別れの挨拶をします。
 また来られる機会があると良いなぁと思いつつ教室を後にしました。

 職員室で来校者バッヂを返却し、外に出てからは校舎の外観を撮影しておきます。
 なかなか画にならない校舎で、撮影ポイントを決めるのに結構苦労しました。
 学校周囲を一周して撮影ポイントを探し、結局「正門」だと思われる位置からの撮影に治まりました。

 その後、VX2000を貸してくれていたKOHSHI氏にカメラを返しに行って昼飯をおごり、晩は仕事の終わったN氏と合流して夕食をご馳走になりました。
 彼曰く、「子供にあれだけ好かれるなら教師としての素質があるんちゃう」とか言われましたが、しかしなるほど小学校の先生というのは、高校・大学の教員とは決定的に違う素質がないと初等教育という現場には立てなもの物なのだろうな…と教育者側の世界を垣間見ることが出来ました。(私としては、小学校教師よりも、大学講師や専門学校講師のような専門的な分野の話をひたすら説くというのが大好きなのですが(苦笑))
 そんな話もしつつ、夕食の席では、編集についての打ち合わせを行い、大体の編集方針を決しました。
 編集は、私の休暇や仕事から帰ってからの時間になりますので、ゴルフ中継出張期間も考えて10月中旬から下旬に掛けての完成予定です。
 あまり時期が経ってしまうと「運動会」という話題性が風化してしまいますので、出来る限り早く届けられるよう頑張ります。

 今回のようなちゃんとした撮影はほぼ一年ぶり。昨年、何かとニュースを騒がせた滋賀県豊郷町の小学校取り壊し問題を取材に行った時以来です。
 編集も社会人になってからは一度もやっていませんから、今回の編集は初EDIUS編集と成りそうです。
 ただ、昼食をKOHSHIと摂りながら、ノートPCにVX2000を繋いで今し方撮影した映像を確認していたのですが、なんだか腕が落ちているような感じがしました。
 勘が鈍っているというか、動きが悪くなっているというか…。
 何となくアグレッシブさも揺らいでいるような印象です。
 やはり、趣味は趣味でカメラを回していないとテクニックが劣化していく様です。
 

 さて、明日からは仕事です。
 今日の撮影で気分もリフレッシュしたことですし、また一週間頑張りますよ!


↓<写真>ダンス撮影中の筆者(左)と『肉』を教える筆者(右)。写真はN氏が保護者に配布する「学級通信」に掲載するためにデジカメで撮った物。もちろん、右は学級通信に掲載できない(苦笑)
030929.jpg 550×206 36K

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