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−>>2007/08/16/(Thu) 夏の大型案件
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7月末〜8月頭にかけて、吹奏楽コンクールの収録という大型案件がありました。技術協力という形ではあるのですが、映像収録に関してはディレクション・編集を含め全てがACC*visualizationに一任されております。今回の撮影はホール客席に有人カメラ2台、ステージ上にリモコンカメラ1台、スイッチングラインには入れないバックアップ用の固定カメラ1台の計4カメ体制。私は3日間ずっとスイッチャーを担当。カメラマンはウチの相方とKさんといういつもの顔ぶれです。
3日間に及ぶ大会のうち、初日と2日目は主催者の都合で機材搬入から撮影開始まで1時間半しかなく、その時間で3台のカメラの設置、ケーブルの敷設、スイッチャー周りの設営をこなさなければなりません。そのため前回の記事もそうですが、短時間で仕込みを終わらせるために色々と工夫をしました。カメラケーブルには1カメ用、2カメ用…と事前に書いておき、ケーブル敷設経路は事前に決めておいたものを各カメラマンに前もって連絡、ホワイトバランスをとる時間がない場合も考慮して全カメラを2900K(経験的に音楽ホールはこのくらいの色温度であることが多いと判断)でホワイトを調整、など。
おかげで朝9時に機材搬入を開始し、仕込みを終え収録できる体制になったのは9時45分。時間に余裕ができると気持ち的にも余裕が生まれ、落ち着いて撮影を開始することができました。ノートPCによるHDDへのダイレクト記録も3日間問題なく稼動し、スタッフ全員怪我などなく全日程を終えることができました。
今回の案件ではひとつ初の試みをしています。音楽ものでは初めて各カメラごとの「カメラ台本」を使って撮影をしました。吹奏楽コンクールは部門によっては課題曲と自由曲の2曲を演奏することになっており、そのうち課題曲は5曲もしくは4曲のうちから1曲を選択して演奏するという形式です。課題曲は音源やフルスコアなどが一般にも販売されており、出演する団体以外でも事前に入手することができます。ということで我がACC*visualizationもフルスコアと音源を購入。楽曲を分析して曲の流れに基づきつつ全員がほぼ均等に写るようにカメラ割りを作成。普段はディレクターがそれを見ながら各カメラマンに指示を出しつつ撮影していくのですが、今回はさらにそれを各カメラマン用にアレンジ。各カメラごとに作成されたカメラ台本を見ながらカメラマンが撮影していくという方式をとりました。例えば「クラリネット1st →pan 8」と書かれていたらカメラマンはクラリネットの1st奏者に構図を決めて待ち、タリーがついたら8小節かけてクラリネットパート全体をパン。タリーが消えたら次に台本に書かれているパートを抜き(撮影し)タリーがつくまで待つ、という流れになります。もちろん全てこの台本どおりに撮れる訳ではなく、その場合は臨機応変な判断が必要になりますが概ね狙い通りの画を撮ることができました。
この方法をとることによって一番楽だったのはスイッチャーの自分かもしれません。普段はぺらぺらしゃべりながら(カメラマンに指示を出しながら)スイッチングしているのですが、課題曲に関してはほとんど話すことなく台本に従ってスイッチングしていくだけでした。
こうして無事に撮影を終えることが出来ましたが、いつまでもほっとしてはいられません。これから編集、DVDオーサリングと夏のラッシュはまだまだ続きます。
−>>2007/07/18/(Wed) 夏の撮影ラッシュ 準備開始
- 今年の夏も今月末に某県の吹奏楽コンクールを3日間収録という大型案件が控えております。今日からその大型案件へ向けて準備を始めました。
吹奏楽コンクールの撮影など、収録時間が長いものは現場にノートPCを持ち込み、スイッチャーからの画を直接HDDに収録しています。さらにはProtoolsを使ってのマルチチャンネル録音をすることもあり、現場にノートPCを持ち運ぶ機会が増えるため、写真のようにケースにノートPC一式を収めてみました。

ノートPC本体、電源アダプタ、マウスなどが収められ、蓋を開けるとすぐに使える状態にしてあります。これに外付けHDDとDV機器を繋げばDV収録マシンになりますし、オーディオインターフェースを繋げば録音マシンになります。
蓋を閉じればご覧のとおり。

蓋に細工をしてありますので、持ち運んでもPCががたつくこともありませんし、電源やテンキーもマジックテープで止めてあるのでケースの中で動いてしまうこともありません。
さらにもう一つ導入したのがこれ。

VarizoomのStealthLXというLANC用リモートデマンドです。これまではLibecのZC-3DVというものを使っておりましたが、それにはトリガー(Recスタート、ストップ)とズームの機能しかついていませんでした。ところがStealthLXはトリガー、ズームに加え、電源ON,OFF、フォーカスオート-マニュアル切り替え、フォーカス、データスクリーン、フレーム±とかなりの機能の操作をすることができます。
中でも嬉しいのがデータスクリーンのON,OFFができること。
普段、マルチカメラ撮影ではENGカメラに混じってPD150をリモコンカメラとして使うことが多く、その際にPD150からのビデオ信号にキャラを乗せておくとPD150のVTRでパラ回しした時にステータス表示やタイムコードカウンターが見れて便利なのです。しかし逆にキャラが乗っているとスイッチングラインに入れてスイッチすることができません。そこで手元でキャラ(データスクリーン)のON,OFFができるものはないか、色々と調べた結果たどり着いたのがこのStealthLXでした。
自作のリモコンケーブルに抱き合わせてあるLANCの延長ケーブル70mを通しても問題なく動作することを確認しました。
夏の大型案件、今年も無事に終えることができるといいですね。
−>>2007/06/18/(Mon) 一段落。
- お久しぶりでございます。佐藤です。
長らく更新しておりませんでしたが、えーっと、忙しかったのであります。毎週のように撮影が入っておりましたので、その編集やオーサリング、さらに直し編集や、直しオーサリングに追われておりました。
しかし、その繁忙期も先週で一段落し、少しの間ですが時間に余裕ができましたので先日から色々と“時間があるときにしようと思っていたこと”に時間を割いております。しかし、HDDレコーダーの中身の整理や編集デスク周りの整理整頓など、面倒なことにはなかなか手がつかず、なんとなく楽しそうなことばかり優先してしまっております。
まず、先日モニタースピーカーの下にコンクリートブロックを置き、耳の高さまで上げてみました。

スピーカーは耳の高さにするのが基本、とは思っておりましたがこれまで横着してスピーカーに上向きの角度をつけて使っておりました。しかし、コンクリートブロックで耳の高さまで上げてみると… 同じスピーカーとは思えない程低音が出るようになり、しかも音像がくっきりと見えるようになりました。こんなに変わるのなら、と相方の編集卓にもコンクリートブロックを置いてスピーカーの位置を上げてみました。さらにはスピーカーの下に置いてある“インシュレーター”を変えてみたり、ケーブルを変えてみたり、ベストなリスニング環境を目指して試行錯誤してみました。ケーブルやインシュレーターでこんなに音が変わるんだぁ、と感心してしまいます。相方もケーブルによる音の違いに驚いたようで、そのうち自腹で高いケーブルを買うとのこと。とりあえず、現在は無難にcanareのケーブルに落ち着いています。
そんな実験をしているうちに一つ気になる点が。相方の編集デスクと自分の編集デスクに同じモデルのスピーカーを置いたとき、どうも相方の編集デスクで聴いた時の方が低音が見えづらく、ステレオの音が左右に散ってしまい、全体的に雑に聴こえます。相方の編集デスクと自分の編集デスクで大きく違うところと言えば、デスクの向こう側の環境。自分のデスクの後ろは防音マットと黒いカーテンになっているのですが、相方のデスクは部屋の壁にそのまま向いています。ということは相方のデスクの後ろの壁に吸音マットを貼ると自分のデスクの環境に近くなるのではないか?ということで早速やってみました。

<吸音マットを貼った後の相方の編集デスク>
結果は吸音マットを置いて大正解。オーケストラ音源を再生した時なんかはコントラバスの音程がはっきり見え、さらにはステレオの定位がしっかりしました。ウチで使っているモニタースピーカーはバスレフ(低音が出る穴)が前にあるタイプなのですが、バスレフが後ろにあるタイプだともっと顕著に違いが出てくるのかもしれません。
結果的には自分のデスクよりも相方のデスクの方がいい環境になってしまったような…
ちなみにコンクリートブロックはホームセンターで1個数百円で購入できますし、吸音マットは東急ハンズで2000円以下で購入しました。ケーブルは上を見るとキリがないのですが、インシュレーターは電気店などで2千円台から出ています。敢えてあまりお金をかけずに快適なリスニング環境を構築するというのも面白いかもしれません。
−>>2007/04/22/(Sun) リターンスイッチ作り
- 3月の撮影ラッシュが終わり、今度は編集のラッシュでした。昨日、やっと3月撮影ぶんの編集とオーサリングがすべて終わり、先ほど納品したとことです。
ほっとしたところで実は今日も撮影がありました。編集機と自分の体をゆっくり休めることができるのはまだまだ先のようです。
撮影を終え、家に帰ってメールをチェックすると、以前の記事にも書かせていただいたKさんからのメールが届いておりました。なんでも、リターンスイッチを作ったとのこと。なんとまあ、すごい偶然。実はウチの相方も先週、編集作業の合間にリターンスイッチを作っていたのでした。リターンスイッチとは、マルチカメラスイッチング撮影をしているときに、カメラマンがファインダーでスイッチングされている映像を確認するときに押すスイッチのことです。そのスイッチは業務用カメラのレンズにもついているのですが、それでは押しにくいので手元で押せるようにと自作スイッチを作ることにしたのでした。部品は下の写真のとおり。

単純な押しボタンスイッチとそれを取り付けるためのケース、そしてレンズのリモート端子に繋ぐコネクタとケーブルです。スイッチは相方がかなり厳選しまして、軽いながら適度なクリック感があって確実に押せるものを選びました。ケースに穴をあけ、スイッチにケーブルを半田付けし、ケースにスイッチを取り付け、三脚のパンバーにスイッチボックスを取り付けられるようにインシュロックをつけて完成!

ちょっとテストしてみたところ、動作良好です。僕的にはパンバーに取り付けて使うのが使いやすいかな、と思ったのですが、相方的には写真のように手に持って使う方が使いやすいとのことです。

確かに一般に作られるリターンスイッチはパンバーに取り付けるものではなく、手に握って使う形をしているものが多いと思います。しかし、僕も相方もパンバーの握り方が順手でも逆手でもなく、反逆手のような感じですのでこのような形で作ってみました。自分で自分用の撮影便利グッズを作るというのも、映像製作の楽しさのひとつかもしれないですね。
リターンスイッチ製作記は、作って早々に書こうかと思っていたのですが、忙しさにかまけて今の今まで書いておりませんでした。しかし、あまりにも偶然にKさんからのメールがあり、急いで書いてみました。Kさん、書く気にさせてくださいましてありがとうございます(笑)
−>>2007/04/01/(Sun) 3月は演奏会シーズン
- 先週末から吹奏楽コンサート撮影が続いておりました。横浜市の中学校、川崎市の高校、都内の大学、川崎市の中学校… このほかにもACC東北クルーがこの1週間に宮城県と神奈川県でコンサート撮影を5本行っており、ACC的にはかなりの繁忙期でありました。毎日のように設営、撤収、設営、撤収… と繰り返しているとさすがに肉体的にも疲れてきており、めずらしく筋肉痛になっております。
その中でも、都内の大学での撮影がなかなか大変で、カメラは有人2台、リモコン1台、固定1台の4カメ体制でした。有人カメラは2階席に、リモコンカメラはステージ上に設置し、ステージ袖にスイッチャースペースを組みました。カメラマンは1カメがKさん、2カメが相方のS、特典映像で入れるリハーサルや楽屋での様子などを撮るENGカメラがACC東北から応援で来ていただいたSさんです。

<ステージ袖に組まれたベース>
音楽もの、ということで音のクオリティは下げたくない、しかし会場が大学内の講堂ということで、吊りマイクの装置がない。さて、どうしよう、と色々と検討した結果、ステージ前にマイクを立てて録ることにしました。単一指向性マイク2本、無指向性マイク2本。これらをステージ前に立てて、Pro toolsを使いマルチチャンネル録音をしました。それに会場でのPAの音を別チャンネルで録ったので、合計5チャンネル。これらをミックスし、編集の際に貼り付けます。マイクの位置や高さを調整しつつ試し録りをしモニターしてみましたが、なかなかいい音が録れたと思います。
画のほうもあらかじめいただいたフルスコアをもとにソロなどを外さないよう撮影していきました。スコア読みはACC東北のSさんにお願いし、あらかじめスコアに書いておいたカメラ割りを見つつカメラマンに指示を出しながらスイッチングしていきました。これまでは自らスコアをめくりながらスイッチングしていきましたので、別にスコア読み専門のスタッフがいるのは非常に助かりました。また、カメラマン各氏が瞬時に私が欲しい画を作ってくれましたので、思ったとおりの映像ができたと思います。
とりあえずは、無事に撮影終了。機材トラブルもスタッフの怪我もなし。ほっとする瞬間です。
ところで、この撮影ラッシュの間にとても嬉しい出来事がありました。横浜市の某公会堂にて撮影を終えて撤収をしていると、ある方が「ACCの佐藤さんですよね? いつもサイト見てますよ」と話しかけてくださいました。なんだか有名人になった気分。当サイトもここまで有名になったのかと嬉しく思いました。しかし、サイトに顔を出しているわけでもないし、機材にでかでかと「ACC」と書いているわけでもないし、何故自分がACCの佐藤だと分かったのか不思議でした。
後にその方からいただいたメールで教えていただいたのですが、私が作った“ラックマウントスイッチングシステム”と自作マルチケーブルを見て「もしかしたら」と思われたそうです。今もちょくちょくメールをやりとりさせていただき、色々と情報交換をしています。いつどこにどんな縁があるか分かりませんね。今後、街で怪しい男と不思議な機材を見かけたら是非話しかけてみてください。
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